藍 画 廊


小谷野夏木展
イメージの手触り
KOYANO Natsuki


小谷野夏木展の展示風景です。



各壁面の展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。

以上の12点が展示室の展示で、その他小展示室に1点の展示があります。
作品の詳細をご覧下さい。



左壁面、左端と左から2番目の作品です。
左はタイトル「ドローイング no.3」(紙・鉛筆・水彩)でサイズ334×242mmです。
右は「ドローイング no.1」(紙・鉛筆・水彩)で334×242mmです。



左壁面、左から3番目と4番目の作品です。
左は「ドローイング no.2」(紙・鉛筆・水彩)で334×242mmです。
右は「ドローイング no.4」(紙・鉛筆・水彩)で334×242mmです。



左壁面、右端の作品です。
「私たちの家にお入りなさい」(パネル・綿布・油彩)で700×700mmです。



正面壁面の作品です。
「カラー・リボン」(パネル・綿布・油彩)で1150×910mmです。



右壁面、左端と左から2番目の作品です。
左は「月蝕」(パネル・綿布・油彩)で620×440mmです。
右は「星辰を手の届く位置に」(パネル・綿布・油彩)で620×440mmです。



右壁面、左から3番目と右端の作品です。
左は「鸚鵡の言葉」(パネル・綿布・油彩)で620×440mmです。
右は「影踏みあそび」(パネル・綿布・油彩)で660×460mmです。



入口横壁面の作品です。
左は「重荷」(パネル・綿布・油彩)で368×363mmです。
右は「私の鳥」(パネル・綿布・油彩)で368×363mmです。

〈作家コメント〉

イメージを取扱うときの両輪があって、一方には表象への問いかけが、
もう一方には常に控えめなポエジーというものがある。
このポエジーの手触りを探ること。肉付けされたもの。手触りの確認。

日本人は宗教心に乏しいという言説がありますが、これが本当なのかどうか疑問です。
例えば、星占い。
星占いは占星術がベースで、天体の動き、位置で人の運命を予測するものです。
現代に於いてはプリミティブな宗教もどきですが、元々は国家や国王の命運を決する重要な宗教的行為でした。
それが天文学の発達ともに迷信に貶められたのですが、出勤前や通学前の星占いを習慣にしている人も少なからずいます。
テレビもそれを当て込んで、ワイドショーやニュースの合間に星占いのコーナーを設けるのが常です。
かように宗教とは人々の心の隅に棲み着いていて、気づかぬ内に信仰心を発揮しているのです。

小谷野さんの絵画、どことなく科学以前の世界観を思わせます。
星や動物、植物の配置や動きがそれで、幾何学的な構図自体にも神秘の気配があります。
他方で形容し難い不安も画面から漂っています。
左壁面の「月蝕」などに顕著ですが、題名が示すように月の欠落に不穏が感じられます。
宗教とは本来死を扱うもので、不測な月の陰が不安なのは不思議でも何でもありません。

考えてみれば、絵画と宗教は一体となって歴史を歩んできました。
それが決別したのは近代以降ですが、近年になると、捨て去ったはずの物語を又取り込んでいます。
多分に科学の信仰(!)に揺らぎが生じて、心の隅が疼き始めたからでしょう。
必ず訪れる人の死に対しては、前近代は決して無力ではなかったのです。

小谷野さんの絵画が表す信仰は特定の神を対象にはしていません。
言わば、民衆の心に広く浸透した宗教観をベースにしています。
占いや寓話、あるいはファンタジーを独自に解釈したものです。
そして、人がなぜそこに惹かれるかを控え目に表現しています。
声高ではなく、イメージと図像を組み合わせ、現代(いま)の絵画として定着させています。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト

2007年藍画廊個展
2010年藍画廊個展
2012年藍画廊個展
2014年藍画廊個展

会期

2017年9月25日(月)ー30日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内