当間裕子展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。 作品サイズは、左から、 225(H)×300(W)mm、300×300mm、 140×180mm、300×300mm、 300×300mm、300×300mm、 300×300mmです。 |
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入口横右の壁面です。 左から、 140×180mm、300×300mmです。 |
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左側の壁面です。 左から、 450×450mm、300×300mm、 600×450mmです。 |
画廊内の展示は以上の十二点で、その他道路側ウィンドウに一点、芳名帳スペースに二点の展示があります。
作品はすべて綿布に油彩です。
正面壁面の六点です。
小品で正方形が多い構成になっています。
ご覧の通りボンヤリした画面で、近づかないと作品の様子が分かりません。
左から四番目の作品です。
クローズアップしてみましたが、残念ながらこの画像では実際の作品の繊細さは表現されていません。
綿布というより、普通の布(ぬの)に絵具が染み込むようにして描かれています。
画面にあるのは、下部の薄い青と画面の大半を占める白い部分だけですが、絵画としての完成度は充分にあります。
入口横右壁面の二点です。
右の作品をクローズアップしてみましょう。
水の紋様を連想させる作品ですね。
このイメージは前回個展から続いていますが、きめ細かい筆致でサラッとした感触を表現しています。
道路側ウィンドウの作品です。
暖色系の色を使用した作品で、このタイプの作品が今回は三点出品されています。
展示の流れにリズム、変化を与えることに成功しています。
作品の大部分を占める青緑系の涼しげな色と違い、目に抵抗がある色相のはずですが、受取る感覚は同じです。
心に染み込むような、多層の空間の流れです。
当たり前ですが、絵を言葉で説明するのは難しいものです。
言葉で説明できないから、絵を描く必然性が生まれます。
あるいは、説明とは違う次元の現象の表現に、絵の必然性があります。
当間さんの絵画を見ていると、絵の必然性に思い当たります。
この表現と絵画は密接に結びついていて、切り離すことが出来ません。
例えば、作品を「情緒」という言葉で形容しよう試みます。
しかし視覚が絵画から捉えた空間には、とうてい太刀打ちできません。
空しく絵画の周辺を漂うだけです。
ここにあるのは絵画であって、それ以外の何モノでもありません。
描かれた空間には、言葉に該当するものがありません。
だから、(わたしの文章表現力の無さを別にしても)説明が不可能です。
見て、眼で感じ、捉えるしかないのです。
でもそれは、わたしにとって、とても幸せな一時でした。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2002年藍画廊個展
2004年藍画廊個展