当間裕子展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。 正面壁面には七点の展示で、右側は一点の展示です。 (画像に写っていませんが、正面左端にもう一点展示があります。) |
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入口横右の壁面です。 二点の展示です。 |
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左側の壁面です。 二点と角の壁面に一点の展示です。 この他、道路側ウィンドウに一点、入口芳名帳スペースに二点の展示があります。 |
作品はすべて、綿布に油彩です。
画廊内に十三点、その他に三点の展示ですが、作品サイズが小さいのでユッタリとした展示になっています。
サイズは最大でも45×45cm、最小は4.7×12cmです。
作品をピックアップしてご覧いただきます。
左側壁面の二点です。
サイズは共に30×30cm。
雨滴が水面(ないしは地面)に降り注いでいる景色、でしょうか。
邪気のない、ストレートな表現です。
感受性をリセットして、そのまっさらな一枚の白い布に一滴、一滴の雨と波紋が描かれている、そんな様子です。
入口横右の二点です。
こちらのサイズも共に30×30cmです。
海景、でしょうか。
ボヤけた水平線で分けられた空と海。
この作品も上の二点と同じように、ひたすら受け身で描かれた絵画に見えます。
景色をありのままに受け入れる、受容する姿勢で描いた絵画。
子供の絵がそれに近いのですが、ここにあるのは大人のプロの美術家が描いた絵です。
いかにシンプルに表現されていても、そこには蓄積された技術があるからです。
感受性と技術をリセットして、それでもなおかつ表出してくるものとは何でしょうか。
絵を描くことの意味、がそこにはあるような気がします。
正面の壁面に並べられた七点の作品です。
具象とも抽象ともいえない、「景色」を描いた作品です。
布に染み入るように描かれた小さな作品群は、一点一点が独立していて、しかも壁面全体に流れがあります。
しなやかで、人を強要することのない表現。
観ていると、描かれた世界の透明さがこちらに伝染してくるような感覚。
絵画という形態をとった、布と色彩の滲みが作り出す「景色」。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2002年藍画廊個展
「美」と「術」2002(1)
「美」と「術」2002(2)