山本まり子展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面の壁面の作品です。
作品サイズは、1620(H)×1940(W)×35(D)mmです。
左は、入口横右の壁面です。
作品サイズは、480×1250×50mm。
右は、入口横左の壁面です。
上部の作品は、73×95×23mm。
下部の作品は、130×140×15mmです。
道路側ウィンドウの作品です。 72×350×74mmです。 以上の他、芳名帳スペース等に小品四点の展示があります。 作品はすべて、木・紙・アクリル・膠・胡粉を使用しています。 |
正面壁面の大作、見ていると胸の中が大きく広がっていきます。
薄いブルーと薄いピンクとホワイトが入り交じった、空のような画面。
何て、広々とした世界なのでしょうか。
作品に見入って、じっと動かない人がいます。
暗い表情で画廊に入ってきた人が、幾分輝いた顔で帰っていきます。
展示作品の主体となっている色はブルー(青)です。
この青が、優しい。
目に優しいのではなくて、精神に優しい。
といっても、癒しの絵画ではありません。
作品はそれ自体自立していて、静かに呼吸しています。
その強さと自然な佇(たたず)まいに同期して、見る人の呼吸も穏やかになっていきます。
山本さんの作品は絵画ですが、モノとしても存在しています。
絵画は一般に額縁で壁と区切られ、その内側だけで完結します。
山本さんの作品は箱状であるのが特徴で、上面以外の(厚みのある)奥行きにも絵が続いています。
モノとしても存在している絵画は、その置かれている場所に作用して、空間全体を変容します。
インスタレーションともいえますが、屏風がそれでないように、山本さんの作品もそう言い切れない何かがあります。
空間を人間の身体に喩えてみましょう。
身体には急所、要所、ツボがあります。
空間にもそういった場所があって、変容はそこから生じます。
制作した絵画は、壁に展示するのではなくて、その場所に(モノのように)置かれます。
置くことによって絵画と空間は一つになって、空気を変えていくのです。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2000年藍画廊個展
2003年藍画廊個展