藍 画 廊

山田直樹展
YAMADA Naoki



壁面別の展示風景をご覧下さい。



展示室A、入口から見て左壁面の展示です。



展示室A、右壁面の展示です。



展示室B、左壁面の展示です。



展示室B、右壁面の展示です。

以上の12点で山田直樹展は構成されています。
(展示室Bのコーナーにも1点の展示があります。)
作品はすべてアクリル絵具を使用しています。
作品の詳細をご覧下さい。

 


展示室A、左壁面の作品です。
左からタイトル「睦月(1月) 」でサイズ50×50cm、「如月(2月)」で20×20cm、「弥生(3月)」で50×50cmです。



展示室A、右壁面の作品です。
左から「卯月(4月)」で50×50cm、「皐月(5月) 」で50×50cmです。



展示室B、左壁面の作品です。
左から「水無月(6月)」で20×20cm、「文月(7月)」で50×50cm、「葉月(8月)」で50×50cmです。

 


展示室B、右壁面、コーナーの作品です。
左から「長月(9月) 」で20×20cm、「神無月(10月) 」で50×50cm、「霜月(11月) 」で50×50cm、「師走(12月) 」で20×20cmです。


<作家コメント>

科学が進み、医学が進歩した今日(こんにち)でも、この世は、人間の力では変えることが出来ない、法則によって支配されている。
生あるものは死す。
これは、法則である。
 過ぎた時間は戻らない。
これも、法則である。
 地球は、約三百六十五日で太陽の周りを一周(公転)する。
この法則により、地球に四季が生まれ、自然の恵みが発生する。
その恩恵により、人間は生きることが、できるのである。
 私は、二度と戻ることのない今日(こんにち)を、感謝と喜びの心で、過ごす事を心がけている。


山田さんの作品は抽象的な絵画です。
色面の矩形で構成された正方形の画面が、A室、B室に整然と並べられています。
各作品は上部にフラットな塗りの長方形があり、その下は同系色の矩形の組合せになっています。
一見すると規則に従った作画ですが、一定の制作順序はあってもそれに縛られることはなく、あくまでもイメージを優先して描いていくそうです。
構図の基本になっているのは黄金比です。
黄金比は古今の美術品や建築で使われている比率ですが、自然界の少なからずにも黄金比があります。
例えば花びらの並びで、その美しい重なりは黄金比です。
つまり人工物、自然界問わず、バランスに優れた比率の多くは黄金比になっています。
これは作家コメントにある法則の代表例と言えます。
作品のタイトルは和風月名で、入口から順に睦月(1月)から師走(12月)になっています。

近代が生んだ科学は自然を解剖し、生や死の神秘に分け入ります。
しかし古(いにしえ)に生まれた人間の知恵を更新することはできません。
科学は科学技術として生活の利便性を向上させますが、その反作用で人の生を蝕んでいます。
わたし達の日常は生きているという実感に乏しいものになってしまいました。
その大きな要因は自然との乖離です。
生態系の循環が生む法則から遠ざかり、閉じた世界で生きています。
そんな生活の疑問から山田さんの絵画はスタートしていると思います。
シンプルな矩形と移り変わる季節をイメージさせる色彩の変化が、常ならぬ=無常で多様な生と死の世界を想起させます。

昼間に見た藍画廊の山田さんの展示。
端正な色面が並んだ絵画は壁面に馴染んで、落ち着いた風情です。
ところが日が暮れて空が暗闇に包まれると、ギャラリーの灯にクッキリと浮かび上がり、色が美しい輝きを放ち始めます。
その変化にはちょっと驚きました。
多彩な矩形が活き活きと、わたしに語りかけてくるのです。
塗りむらを擦ったテクスチャーも際立ってきます。
もしお時間がありましたら、黄昏時にご覧になることをお勧めします。
二つの時間で異なる表情の絵が楽しめるからです。

ご高覧よろしくお願い致します。


作品リスト

会期

2025年1月27
日(月)ー2月1日(土)
11:30ー19:00(最終日17:00まで)

会場案内