松井ローラ展
外部寄生虫
MATSUI Lora


松井ローラ展の展示風景です。



各壁面の展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。

以上の8点が展示室の展示で、その他小展示室に2点の展示があります。
作品の詳細をご覧下さい。



左壁面、左端の作品です。
タイトル「寄生虫チェックミラー」(PETフィルム、アルミ樹脂複合板、石塑粘土 *油で着色)でサイズ400×295×150mmです。



左壁面、右端の作品です。
「寄生虫コレクション(8点)」(ガラス瓶、発砲スチロール、ウイッグ *油で着色)と「棚(5点)」(木材、タイル、石塑粘土 *油で着色)で600×180×90mmです。



作品の部分です。



正面壁面の作品です。
「ハンティングトロフィー 外部生虫_蛇/鹿/牛」(発砲スチロール、石塑粘土、タイル、ゴムホース *油で着色)の3点300×600×120mmと3枚の「カーテン」(ポリエステル、木材、タイル、石塑粘土 *油で着色)600×120×2200mmです。



作品の部分です。


右壁面上、2点のドローイングです。
左は「豹」、右は「牛」で共に画用紙にアクリル、鉛筆を使用しています。
下は松井ローラ特製バンダナです。



右壁面、松井ローラ特製シャツです。



入口横壁面の作品です。
「外部寄生虫_宇宙の果てまでお供します」(発砲スチロール、石塑粘土、タイル、樹脂 *油で着色)で531×456×300です。

〈作家コメント〉
「外部寄生虫レシピ」
私の精神に寄生して自由をせしめる無数の寄生虫。
それらの寄生虫は全身の皮膚に現れて張り付き、時に奇声を発したり、暴れたりすることもある。
不快に感じたら捕まえて処分するのだが、調理して食べると意外に美味しいので、ひとつレシピを紹介したい。
【寄生虫レモンバターソテー】
 1.寄生虫を一口大に切り、ブラックペッパーと塩をまぶす。
 2.フライパンにオリーブオイルを引き、ガーリックとバターで寄生虫を皮目から焼く。
 3.表面が色づいたら白ワインを入れて蓋をし5分ほど蒸し焼きにしたのち、寄生虫を皿に盛る。
 4.フライパンに残った油にレモン汁と白ワインビネガーを加えて煮詰め、皿に盛った寄生虫にかける。
 5.最後にパセリパウダーとブラックペッパーをかけ、野菜やハーブを添えれば完成。
是非一度お試しください。


寄生虫で思い出すのは、わたしが小学生時代の虫下し。
昭和二十年代の国民の寄生虫保卵率は70-80%にも達し、当時は国民病でした。
虫下しとは、カイチュウ、ギョウチュウ、サナダムシを体外に排出するためのクスリのことです。
保卵者は年に一回は虫下しを服用したのですが、副作用で視界が黄色く見え、それがまことにストレンジだったことも記憶に残っています。
作品の「寄生虫コレクション(8点)」は、小学校の理科室にあった寄生虫の標本のおぞましさを彷彿させる一品です。

松井ローラさんの本展のサブタイトルは外部寄生虫。
寄生虫には外部と内部があって、上記のカイチュウなどは内部で、外部はダニ、シラミなど体表面(皮膚など)に寄生します。
ローラさんに寄生した虫は皮膚に張り付いて、専ら精神に寄生する珍種の外部寄生虫のようです。

寄生虫は宿主から栄養やサービスを収奪するため、悪者とされてきましたが、最近の研究ではアレルギーの除去に役立つことも分かってきました。
つまり、共生することで宿主も恩恵を受ける場合もあるのです。
近年の各種アレルギーの増加は、食生活や環境のクリーン(衛生向上)の負の部分とも言えます。
何事もほどほどが良くて、潔癖症のような滅菌生活は却って不健康をまねくのです。

さてさて、ローラさんに取り付いた寄生虫、作品で見ると神経を逆なでするような、ナカナカのものです。
だが、それは勝手な人間の主観であって、偏見かもしれません。
寄生虫から見れば、人間だって十二分におぞましい。
気に入らない虫や動物は片っ端から殺している殺戮者だし、姿形だってグロテスクなものかもしれない。
ま、どっちもどっちということですね。

ローラさんに取り付いた虫は精神に寄生して、奇声を発したり、暴れたりするそうです。
はは〜、パンクな寄生虫ですね、これは。
アレルギーには効きそうもありませんが、精神衛生上はとても好ましい寄生虫です。
なぜかと言えば、人は向上一筋だとどこかで壊れてしまうからです。
爆発して破壊しないと、人でなくなってしまう性質があるからです。
というわけで、ローラさんは幸運な人で、その成果のご披露が今回の展示です。
ご幸運のお裾分けとして、スペシャルメイドなバンダナやシャツも取り揃えていますので、是非お立ち寄りください。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト

2017年藍画廊個展
2018年藍画廊個展

会期

2019年8月26日(月)ー31日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)

会場案内