藍 画 廊


松井ローラ展
鼓動のリズム


松井ローラ展の展示風景です。



各壁面の展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。
以上の10点が展示室の展示で、その他小展示室に3点の展示があります。
作品の詳細をご覧下さい。



左壁面、左端と中央の作品です。
左はタイトル「Moon Walk-Studs」(カンヴァスに油彩、樹脂粘土)でサイズ910✕910です。
右は「The Great Escape-Cow fur」(カンヴァスに油彩、毛皮、樹脂粘土)で910✕910です。



左壁面右端、正面壁面左端、及びインスタレーションの作品です。
左は「Cell」(カンヴァスに油彩、樹脂粘土)で500✕395です。
中央は「傷だらけのローラ」(靴木型、ウッドビーズ、風船、ワイヤー他)で可変です。
右は「Cell」(カンヴァスに油彩、樹脂粘土)で500✕400です。



正面壁面、右側の作品です。
「Roman Holiday-Break Shot」(カンヴァスに木材、毛皮、樹脂粘土)で910✕1150です。



右側壁面、左端、右端の作品です。
左は「I like this smell-Mortorbike」(カンヴァスに油彩、樹脂粘土)でサイズ600✕910です。
右は「I like this smell-Car」(カンヴァスに油彩、樹脂粘土)でサイズ600✕910です。



右壁面前の作品です。
「ローラT 2018」(Tシャツボディにインクジェットプリント)でXL,L,M,S,XSです。



入口横壁面の作品です。
「Cell」(カンヴァスに油彩、樹脂粘土)で600✕900です。

〈作家コメント〉

休日の昼下がり、バイクを路上に駐車して、マツ兵衛とオマツはカフェに入って一服入れる。
コーヒーを飲み終えると、再び二人乗りで走り出す。
シルバーグリーン色のベスパに積まれた2ストロークエンジンが、吸入・圧縮、燃焼・膨張・排気を繰り返す。乾いたエンジン音が心地よいリズムを刻む。
目的地まではあと少し、別れのときは近い。
カフェで飲んだコーヒーは、マツ兵衛とオマツの体内でろ過されて涙へと変わり、ローマの街に放出される。
突然、目覚まし時計の音が鳴り、オマツは夢から覚めた。
シーツには、ほのかにハートの模様ができていた。

松井ローラさんの2017年に続く個展です。
前回は上海のダンスホールを舞台にした、生命の躍動がテーマでした。
今回は名作『ローマの休日』の場面から世界が広がります。

『ローマの休日』といえば、王女と新聞記者がベスパ(スクーター)に乗ってローマを走り回るシーンが中心になっています。
正面壁面の「Roman Holiday-Break Shot」はそのグリーンのベスパを中心に据えています。
ここで注目したいのは、ベスパの周りに脳や臓器も描かれていることです。
これは何を意味しているのでしょうか。

他の絵画を見ていると、旧いバイクやクルマの絵が目に付き、それらにも脳や臓器が描かれています。
バイクやクルマのエンジンは剥き出しで、エンジンの循環構造のようなものも見えます。
考えてみれば、脳や臓器も人体を剥き出しにしたものです。
血液や消化の循環機能もエンジンの循環と相似。
つまりは、剥き出し=Nakedが本展のキーワードかもしれません。

では松井さんが作品で剥き出しにしたエンジンや脳や臓器がメタファーだとしたら、その実の正体は?
それは、LOVEではないでしょうか。
(もちろんわたしの想像で、確かではありません)。
しかし、ダンスホールの物語も、底に流れているのはLOVEでした。
人もマシンも虚飾を脱ぎ捨てて、裸に、Nakedになって交われ!
それこそが本当の愛、LOVEではないか・・・、と作品は語っています。

細胞の一つ一つまで交わる、究極のLOVE。
それこそが愛であり、鼓動のリズム=生命の輝きである。
松井さんのディープな絵画やオブジェを見ていると、そう思えてなりません。
追悼の「傷だらけのローラ」も、それが歌のテーマではなかったでしょうか。

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト

2017年藍画廊個展

2018年8月27日(月)ー9月1日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内