唐沢美紀・唐沢絵美里 展
KARASAWA Miki/KARASAWA Emily
唐沢美紀・唐沢絵美里展の展示風景です。
各壁面の展示を御覧下さい。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
正面の壁面です。
右側の壁面です。
入口横の壁面です。
以上の6点が展示室の展示で、その他小展示室に1点の展示があります。
本展は唐沢美紀(母)さんと唐沢絵美里(子)さんの親子二人展です。
美紀さんは多摩美術大学卒業で、絵美里さんは東京藝術大学に在学中です。
作品の詳細を御覧下さい。
左壁面左端、美紀さんの作品です。
ドローイング集で、タイトル「 シドがくれたインク」(紙・インク)でサイズは各130×80mmです。
ピックアップしたドローイング2点です。
左壁面右端、唐沢美紀さんの作品です。
左は「blue bottle」(木・布・アクリル絵の具)で450×730×60mmです。
右は「coconut」(木・布・アクリル絵の具)で450×730×60mmです。
正面壁面、唐沢絵美里さんの作品です。
「Atavism」で各850×600mmです。
右壁面右端、唐沢絵美里さんの作品です。
ドローイング集で「水溜りの中の胎児」で各360×260mmです。
ピックアップした2点です。
右壁面右端、唐沢美紀さんの作品です。
入口横壁面、唐沢美紀さんの作品です。
上の2点は連作「They are growing」(木・布・アクリル絵の具)で1820×4220mmです。〈作家コメント 唐沢美紀〉
箱の中のピースをひとつひとつ手にとって糸に通す。
気にいるまでならべかえて やっとできあがり、ひとりでにんまりする。
いくらもたたないうちに気がつけばまた
娘たちがこっそりと、子どものときのような顔で、新しいピースを置いていっている。〈作家コメント 唐沢絵美里〉
幼い頃から知っている藍画廊ではじめての展示をします。
作品が生まれる根源にある問題意識や感受性、想像力といったものが成長していく過程で、藍画廊は無意識にも私に影響を与えていた場所です。
今回制作した2つの作品は、いずれも「問い」に対して実践的に考えていくプロセスだと思っています。
母の唐沢美紀さんの作品は絵画の枠組みをベースにした自由奔放な表現です。
ドローイングは厚めのトレーシングペーパーにインクでサラリと描いたもの。
イラストのカットような軽さを持ちながら、作品として完結しているのは流石です。
静物画2点はセザンヌを思わせる色調、構図ですが、布地を貼り付けて絵柄とするフェイクな仕様が楽しい。
遊んでいながらも、確かな手応え、見応えを感じさせる絵画(もどき)です。
変化球の冴えを際立たせながら、ストレートに打者のハートを掴みます。
連作の大作「They are growing」は今までの唐沢美紀さんの集大成のような作品です。
市販の無地の布地をキャンバス代わりに使い、木材と組み合わせて、ハイブリッドな絵模様を展開しています。
ここでも柄の布地を貼り付けて打者の眼を惑わす。
モチーフはお馴染みのエミュー(ダチョウに似た鳥)を中心に植物や石のオブジェなどなど。
多視点の図法で眼を飽きさせず、遠近の無視も効果的。
モチーフの組み合わせに、特に意味はなくても、そのワンダーワールドには引きずり込まれます。
母は強しというか、絵心満点というか、楽しい心地にさせていただきました!
子の唐沢絵美里さんは直球勝負。
正面壁面の「Atavism」は各々が6人による合成されたポートレイトです。
左は両親が日本人の6人、右は片親が外国人の6人のポートレイトを基にしています。
絵美里さんは父親(故人)がアメリカ人で、通称ハーフです。
わたしもクォーター(韓国人3/4,日本人1/4)なので、この作品の意味は良くわかります。
人にとって血(ブラッド)とは何か、民族とは、家族とは、そしてそれらがれが重なり合った自分とは。
ハーフという視点から見た、共同体のあやふやさを視覚で表現した作品ではないでしょうか。
ドローイング集「水溜りの中の胎児」は生命の不可思議さと神秘を女性の視点から描いた作品。
これもストレートな発想と確かな描写の、力のこもったドローイングです。
それでも力みはなく、ノビノビとした絵になっているのは遺伝でしょうか。
極彩色とモノクローム、昭和と平成、そして母と子だけど一歩家から出ればライバル。
各々の個展もよいが、(どちらが企てたのか不明ですが)このような試みもナイスですね!
ご高覧よろしくお願い致します。2007年唐沢美紀藍画廊個展
2013年唐沢美紀藍画廊個展
2015年唐沢美紀藍画廊個展2018年6月18日(月)ー23日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
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