藍 画 廊



唐沢美紀展
KARASAWA Miki


唐沢美紀展の展示風景です。



画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。
左から、作品タイトル
「Bust」で、作品サイズP30、
「gold fish」で、作品サイズP30、
「chair」で、作品サイズP30、
「water side」で、F6です。
以上の四点は、キャンバスに油彩、オイルパステルを使用しています。
床に設置された作品は、「island」で、サイズ可変、使用材料はミクストメディアです。



入口右横の壁面です。
「leaves」で、151(H)×105(W)mm ×47点で、トレーシングペーパに油彩を使用しています。



左側の壁面です。
左から、「face」で、F4で、キャンバスに油彩、オイルパステル、
「leaves」で、151×105 mm×8点で、トレーシングペーパに油彩、
「water plant」で、F4で、キャンバスに油彩、オイルパステルです。
床に設置された作品は、「island」で、サイズ可変、使用材料はミクストメディアです。

以上の十点が画廊内の展示で、その他道路側ウィンドウに一点、芳名帳スペースに一点の展示があります。



左壁面に円形に展示された「leaves」です。
leaves、植物の葉のことでね。
一点、クローズアップしてみましょう。


緑の葉をバックにした、ポートレイトでしょうか。
厚手のトレーシングペーパーに油彩された小品ですが、ドローイングのように、即興で自由な描画です。
トレーシングペーパーの半透明な質感も面白い効果を上げています。


同じ左壁面の左端の作品です。



「water plant」、水草です。
キャンバスには、手前に小さな棚が付属しています。
その棚には、小さな五つのオブジェが置かれています。
オブジェは、三角形の粘土に、着色された植物の茎(?)のようなものが生えています。
緑がとても涼しげで、手前のオブジェの赤いラインと絵画のバランスが絶妙。



ペインティングの作品です。
正面壁面の「chair」ですが、この作品も植物の葉が大きく描かれています。
chair(椅子)は中央左下に赤紫で、小さく描かれています。
昔の床屋さんの椅子がモチーフになっているそうです。



右壁面の「water side」です。
「water plant」と同じ形式の作品で、こちらにも小さなオブジェ六点が置かれています。
水辺の雰囲気が、伝わってきます。
背景の紫がとても新鮮で、手前の赤いラインが踊っているようです。



入口横右壁面の「leaves」です。
各作品の仕様は左壁面の「leaves」と同じです。
こちらは全部で四十七点。
一点づつ見ていくと、森の中を散策している気分になります。



左壁面下のインスタレーション「island」です。
壁面の電球と粘土と植物のオブジェ。
太陽が降り注ぐ緑の島のイメージですが、唐沢さんのカラーで、独自の世界が表現されています。


唐沢さん、久方ぶりの個展です。
子育てがやっと一段落して、制作再開の第一弾です。
拝見してみると、そこにあるのは、やはり唐沢さんの世界。
しなやかで、色彩豊かで、感性豊かな唐沢ワールドです。
(ここまでは、付き合いの長いわたしの個人的感慨です。)

今回の展覧会、ブランクがあった所為で、最初は全体像が結べなかったそうです。
とにかく描いてみる、そこからスタートして、徐々に展示のコンセプトを作り上げていきました。
描き始めたのは、身近な植物。
近くの公園や水辺に生えている雑草です。

雑草は、近づいて見ると、各々が個性的でとても面白い。
上品な草もあれば、野卑な草もあります。
美形もあれば、不細工も、あります。
太陽と水と空気、それらを充分に摂取して、伸び伸びと生える雑草たち。

そんな雑草と(これ又身近な)唐沢さんの日常や思い出が結びついた、ペインティングやインスタレーション。
一つ一つが独立していながら、全体としても見ても統一感のある展示です。
陽に向かっているような、オブジェの茎の様々な動き(ライン)。
絵画が主体でありながら、絵画に収まりきれない唐沢さんの表現が提示されています。
楽しいです!



ご高覧よろしくお願いいたします。


会期

2007年11月26日(月)-12月1日(土)

11:30am-7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内