藍 画 廊



折笠晴美展
 - 光の戯れ -
ORIKASA Harumi


折笠晴美展の展示風景です。



画廊入口から見て、左側の壁面です。
左から、タイトル『-光の戯れ-「砧公園」』で、サイズ31.8(H)×41.0(W)cm (F6)、『-光の戯れ-「街あかりと蝶」』で31.8×41.0 (F6)、『-光の戯れ-「道」』で15.8×22.7 (SM)、『-光の戯れ-「冬の木」』で14.0×18.0 (F0)、『-光の戯れ-「家」』で22.0×27.3 (F3)、『-光の戯れ-「窓とねこ」』で22.0×27.3 (F3)、『-光の戯れ-「横浜」』で15.8×22.7 (SM)、『-光の戯れ-「木と光II」』で41.0×31.8 (F6)、『-光の戯れ-「涙目」』で45.5×53.0 (F10)、『-光の戯れ-「木と光」』で112.0×145.5 (F80)です。
作品はすべてキャンバスに油彩です。



正面の壁面です。
左から『光の木II』(流木・油彩・CD)で22.0×54.0×36.0、『-光の戯れ-「モノレール」』(キャンバス・油彩)で130.3×162.0 (F100)、『-光の戯れ-「駐車場」』(キャンバス・油彩)で60.6×72.7 (F15)です。



右側の壁面です。
左から『-光の戯れ-「月」』で22.0×27.3 (F3)、『-光の戯れ-「祖父と祖母」』で72.7×91.0 (F30)、『-光の戯れ-「ろうそくII」』で40.0×30.0 (P20)、『-光の戯れ-「ろうそくI」』で40.0×30.0 (P20)、『-光の戯れ-「しじみ」』で14.0×18.0 (F0)です。
作品はすべてキャンバスに油彩です。



入口横の壁面です。
左から『水面の光』(パネル・石粘土・テンペラ)で22.0×27.3 (F3)、『水面の光』(パネル・石粘土・テンペラ)で22.0×27.3 (F3)、『星』(板・石粘土・金銀箔)で20.0×20.0×6.0、『光の木I』(もみじ・石粘土・金銀箔)で30.0×25.0×25.0、『光の粒』(石粘土・金銀箔)で小立体群です。

以上の23点が展示室の展示で、その他2点が小展示室に展示されています。



左壁面の小品群から2点、 『-光の戯れ-「砧公園」』と『-光の戯れ-「窓とねこ」』です。
前回個展から続く「光の戯れ」シリーズで、自然と人工の光が入り交じって描かれています。
このシリーズの絵画では、光は誇張されているわけではなく、見たままを描いています。
街や空には、思った以上に光りが溢れているのです。
それと対照的に、『-光の戯れ-「窓とねこ」』は弱い光を効果的に表現しています。



同じく左壁面の『-光の戯れ-「木と光」』です。
木々から漏れる光の様子がファンタジックに描写されています。
この絵のように光は多種多様で、それに気がつけば、日常の景観はいつもと違って見えます。



正面壁面の『-光の戯れ-「モノレール」』です。
タイトル通り、モノレールの走る街の様子が色々な光で表されています。
この作品の上下にはCDを中心にした立体が配されていて、インスタレーションにもなっています。


同じく正面壁面の『-光の戯れ-「駐車場」』です。
折笠さんの作品は、この駐車場のように、何気ない日常の風景を描いています。
しかしそれを、非日常的な美しい風景に変換するマジックがあります。
そのマジックはまさに魔法ですが、魔法は感性と視点で育まれたものです。



右壁面の『-光の戯れ-「月」』です。
なぜ月が二重に見えるか。
それは折笠さんが乱視だからです。
ユーモアをリリシズムに昇華した作品で、個人的にはとても好きな1点。



右壁面の『-光の戯れ-「祖父と祖母」』です。
お亡くなりになった折笠さんの祖父と祖母を描いた作品です。
シルエットと光の交錯が美しい作品。



右壁面の2点です。
左は『-光の戯れ-「ろうそくI」』で、上の祖父と祖母に捧げられたろうそくの光です。
楕円形の変形キャンバスを2点並べて、3点の連作になっています。
右は『-光の戯れ-「しじみ」』で、しじみから光がぼんやりと漏れている様を、押さえたトーンで描いています。



入口横壁面の『光の木I』と『光の粒』です。
光を石粘土や金銀箔などで、小立体として表した作品です。
素朴で、可愛らしい作品。


光。
この展覧会は東日本大震災の後に開かれています。
恐らく制作中に震災があったと思われます。
そのとき、折笠さんは何を感じたのでしょうか。
わたしが想像するに、やはり光の存在を強く意識したのではないでしょうか。

光は自然と人工があります。
元は自然だけでした。
太陽の光と火の光。
月の光もありますね。
それらを模して、人工の光が生まれました。

折笠さんの作品は、自然と人工の光が交錯しています。
そればかりではなく、温かい光と冷たい光、多色な大きな光と小さな光、形の違う光などなど、光を多様に描いています。
そして光は日常を中心にしながら、彼岸まで届いています。
光は灯りである以上に、ここでは生命(いのち)として輝いています。
生命の証として、ここに、そこに、むこうに、輝いています。

他方で手法としても、光は多面的に表現されています。
絵画であり、立体であり、インスタレーションであり。
その変化と戯れに富んだ展示は、見る者の目を楽しませます。
光(生命)は、多彩なのです。

今回の展示、印象的なのは静かなトーンの小品が効果的に置かれていることです。
「窓とねこ」や「月」、それから「しじみ」など。
これらの作品がアクセントとなって、光は一層輝いています。

ご高覧よろしくお願い致します。



2008年藍画廊個展
2009年藍画廊個展


会期

2011年4月25日(月)-4月30日(土)

11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内