藍 画 廊



当間裕子展
TOHMA Yuko


2011年度最初の展覧会として、当間裕子展を開催致します。
本年も藍画廊をよろしくお願いいたします。

当間裕子展の展示風景です。



各壁面の展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。
本展の作品にはタイトルが付けられていませんので、サイズのみを記します。
左から、60(W)×30(H)cm、30×30、30×30、30×25、30×30です。



正面の壁面です。
39×39です。
なお展示作品はすべてパネルに油彩、綿布を使用しています。



右側の壁面です。
左から39×39、60×60、23×30です。



入口横の壁面です。
左から、39×39、30×30です。



横長のプロポーションと画面のプロポーション、色彩の取り合わせが美しい、左壁面の作品。
当間さんの作品には水をモチーフにしたものが多いのですが、この作品も海景を想像させます。
穏やかで柔らかな、絵です。



同じく左壁面の作品。
流れを感じさせる、深みのある画面です。



色合い的には対照的な左壁面の2点。
左のモノクロームの微妙な描画も良いですが、右の明るい絵も捨てがたい。
右で使われているグリーンは特に印象に残ります。



画廊正面にデンと展示された作品。
重いようで、とても優しい画面。
是非画廊でご覧下さい。



右壁面はブルーとピンクの作品3点が展示されています。
これは中央の一番大きな作品です。
調和しないような色調が、見事にお互いを引き立てています。
わたしの好きな作品。



入口横壁面の2点は緑系の作品です。
この2点は特に画面の横まで絵が描かれています。
(ページトップの展示風景の画像をご覧下さい。)
特に植物や森などの緑を意識した作品ではないと思いますが、「おー、牧場は緑」と心の中で謳ってしまいそうな作品。



今回の当間裕子さんの作品、気のせいか明るい印象を受けます。
暗い色調の作品でも、明るさを感じます。
そして、画廊の入口から左壁面から正面壁面へと順に見ていくと、一冊の絵本を見ている(読んでいる)気分になります。
もちろん絵だけで文章はないのですが、絵本のような作品、展示に見えるのです。

当間さんは絵を描いて、画廊に持ってきて、展示する。
その展示の順序は最初から意図されたものかどうか、わたしには分かりません。
多分、大まかには決められていたとしても、多くは会場で決定されたでしょう。
ですから、そこには予め決められたストーリーはありません。

絵本は本ですから、そこには大概ストーリーがあります。
わたしは当間さんの作品の展示に、ストーリーを読みます。
それは起承転結のストーリーではありません。
広い世界の物語(ストーリー)です。
とてもとても広い世界の物語です。

綿布に染みこませるように描く、当間さんの絵画。
それは、自身と布を一体化させるような行為です。
自らを色と形に変えて、絵画というモノに化けます。
化けると、そこには空間と時間が出現します。
そして、物語が始まります。
もちろんそれは、わたしの妄想ですが、わたしは物語を存分に楽しんでいます。

文字のない、絵本。
とてもとても広い世界を描いた絵本。
しなやかで優しい空間とゆったり流れる時間。
ご堪能あれ。

ご高覧よろしくお願い致します。

2002年藍画廊個展
2004年藍画廊個展
2005年藍画廊個展
2008年藍画廊個展
2009年藍画廊個展
「世界」2006年展
「美」と「術」2002(1)
「美」と「術」2002(2)



会期

2011年1月11日(火)-1月22日(土)

16日(日)休廊

11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内