石塚雅子展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。
三点ともタイトル「空」で、
作品サイズは左から、727×910mm、455×380mm、727×910mmです。
入口横右の壁面です。
無題で、606×510mmです。
左の壁面です。
二点とも無題で、サイズも各606×727mmです。
以上が六点が画廊内の展示作品で、その他道路側ウィンドウに一点、芳名帳スペースに二点の展示があります。
作品はすべてキャンバスに油彩です。
本展のサブタイトルは「庭と空」です。
タイトル通り、作品は庭を描いたものと空を描いたものに二分されます。
左壁面に展示された、庭の作品です。
庭は前回個展と同じく、石塚さんの自宅の庭です。
絵画空間に溢れているのは、庭に降り注いでいる光です。
その気配が、写し取られています。
正面壁面の空の作品です。
雲海のようですね。
石塚さんのお話では、庭は庭を見ながら描いているそうです。
空の方は、見ながら描いた後で手を加えています。
写生された風景をモチーフにして、筆を自由に走らせているそうです。
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同じく正面壁面の作品です。 雲の動きが、激しいですね。 庭の光の有り様と似ています。 |
最後は右横壁面の作品です。
「庭と空」の言葉を換えると、「天と地」になります。
天空と地上です。
天空は、一時として同じ様相ではありません。
常に変化しています。
雲を見ていて厭きないのは、雲の形や位置が刻々と変わるからです。
地上(庭)も同じです。
ただしその変化は、変化していると感じなければ、気がつきません。
光の変化は微妙であり、それを受容する空間の変わり方も、又微妙です。
それを五感で感じ取るとれる感性が、変化を読み取ります。
つまり、画家の感性であり、仕事です。
「天と地」は各々独立して存在しているわけではなく、互いに作用し合っています。
ある時は激しく、ある時は静かに、エネルギーは変動しています。
その変動の総体が、宇宙とか世界とか呼ばれるものです。
その中には、当然人間も含まれます。
「庭と空」。
良い言葉ですね。
目の前には庭があり、見上げれば空がある。
そんな場所に石塚さんがいて、動きを写生している。
立脚点と眼差しに矛盾のない、ストレート(自然)な作品です。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2002年藍画廊個展
2003年藍画廊個展