世界企業の、ソフトウェア界の、インターネット産業の恐竜といえば、Microsoftですね。
世界中のパソコンの90パーセント以上がWindows搭載。
これだけでも莫大な売り上げです。
おまけに、オフィス統合ソフトでのMicrosoft Officeのシェア、売上げも断トツです。
強引かつルール違反の商法が米独禁法違反で係争中なのはご存知ですね。
WWWブラウザも、MicrosoftのInternet Explorerが90パーセントを超えるシェアで独占状態です。
かつてはNetscapeが現在のInternet Explorerと同じシェアを持っていましたが、今や7パーセントと凋落の一途をたどっています。
今から4年4ヶ月前、NetscapeがMicrosoftと激しいブラウザ戦争をしていたとき、一つのプロジェクトがスタートしました。
オープンソース(ソフトの中身=設計図を公開して開発すること)のブラウザ、Mozillaの誕生です。
Netscapeの起死回生策でしたが、Mozillaプロジェクトは思わぬ紆余曲折を重ね、その間にIEが圧倒的なシェアを築きました。
特に評判を落としたのは、Mozillaを内蔵したNetscape6の出来が悪かったことです。
(Netscape社とMozilla.orgの組織関係は双子の関係にあります。Netscape6以降のブラウザの中身はMozillaです。)
既に戦争が終結したこの時期、ついにMozilla は卵を孵(かえ)しました。
Mozilla 1.0がリリースされたのです。
(ソフトウエアで1.0のバージョンは正式版の意味があります。)
恐竜に、恐竜が戦いを開始したのです。
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Mozilla1.0の起動画面です。 怒りを爆発させ、炎を吐き出すMozilla 。 その怒りのすさまじさの所為か、MacOS版では起動直後にメニューをクリックするとフリーズする時があります。 でも、機能面や使いやすさではIEと遜色ありません。 |
ここで、関係ない話。
Mozilla はゴジラとMosaic(モザイク=画像表示が可能になった最初のブラウザ)の合成語だと思います。
Mosaicが発展してNetscapeになり、Netscapeが始めたプロジェクトがMozilla という関係にありますから。
しかし、わたしの世代だとMozilla はゴジラとモスラの合成を連想させます。
史上最強の怪獣(恐竜)ですね。
♪モスラ〜や、モスラ〜や、
と、ザ、ピーナッツが南海の孤島で歌っていたのを思い出してしまいました。
当時わたしは小学生、ガムの包装紙を集めて早朝特別上映でこの映画を観たのでした。
ネットで映画「モスラ」(1961年製作)を調べると、原作は中村真一郎、福永武彦、堀田善衛になっています。
凄いメンバーで驚きました。
さて、Mozilla関係を調べるためにネットを徘徊していたら思わぬサイトに行き着きました。
歴代のブラウザーを疑似体験できるサイトです。
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Deja Vuというサイトに左の「BROWESER
EMULATER」があります。 ブラウザをインストールしなくても、当時のブラウジングが体験できます。 ブラウザのタイムトンネルみたいなサイトです。 |
一番上の Line-Mode browserはテキストしか表示できなかった頃のブラウザです。
その進化版が前々回のiPhotoで紹介したLynx。
二番目は初めて画像表示が可能になったブラウザ、Mosaicそのものです。
イリノイ大学の付属機関NCSAが1993年に開発しました。
噂に聞いていたMosaicの疑似体験はちょっと感激しました。
そこで、ブラウザ画面をキャプチャー(スクリーンショット)しました。
NCSA Mosaicの最初の画面にあったamozon.comのリンクから、日本のamozonにジャンプしたトップ画面です。
上のメニューや下のボタンが素朴ですが、画面はほとんど変わらないですね。
(フレームに対応していないので、フレームがあると左側しか表示されません。)
NCSA Mosaicが最初から完成度が高かったのが良く分かります。
Mosaic Netscapeは、イリノイ大学 のMosaic開発者が興したNetscape社がリリースしたブラウザです。
Netscape Navigatorはご存知ですね。
Mosaic Netscapeを進化させて、WWWを一般化させたブラウザです。
Internet Explorerは、初期のヴァージョン2.0を体験できます。
不具合が多く使い物にならないといわれた頃のInternet Explorerです。
最後は、Sun Microsystems社が1995年に発表したHotJavaというブラウザです。
Webブラウザに何を使うかは、使う人の自由です。
わたしの経験では、Internet Explorer、 Netscape/Mozilla、Opera、どれを使ってもほとんど同じです。
それぞれ一長一短はありますが、際立った優劣はありません。
だとしたら、Internet Explorerの寡占状態は異常ともいえます。
Microsoftの戦略に世界中が嵌まっているということになります。
Macのデスクトップの標準ブラウザさえもInternet Explorerです。
(実をいえば、わたしもInternet ExplorerとOutlook Expressのセットを使ってました。Outlook Expressは他のメールソフトに乗り換え準備中です。)
パーソナルコンピュータが主流メディアとなりつつある現代で、そのソフトの多くが一つの会社に偏っているというのはバッドです。
しかも、その会社にイマイチ信頼がおけません。
例えば、Internet ExplorerとOutlook Expressにはセキュリティホールが頻繁に発見されます。
その結果、Internet ExplorerとOutlook Expressを攻撃目標としたウィルスが蔓延しています。
Windows環境でInternet ExplorerとOutlook Expressを使うのは自殺行為に等しいといえます。
(ソフトのセキュリティは制作者の基本中の基本だそうです。それをこの会社はしていない。)
「万国の労働者よ、立ち上れ!」ではないですが、社会主義プロパガンダ風Mozillaのプロモーション画像です。 こういうシャレは好きです。 解き放たれた恐竜が、世界中を支配している恐竜に一撃を加えたら、面白いですね。 というわけで、今わたしのデスクトップの標準ブラウザはMozillaです。 使ってみたい人はここからダウンロードして下さい。 ほとんどのOSに対応しています。 Mozillaはオープンソースという手法で開発されました。 オープンソースについては、近々「iの研究」で考察したいと思ってます。 こちらも、読んで下さいね! |
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