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「iPhone's photo(9)」


iPhone's Photo(8)の続き

人生に於いて、先生に恵まれるかどうかは重要な問題です。
いきなりのテーゼですが、深く考えずに読み進んで下さい。
わたしは、大学、美術専門学校では、先生に恵まれました。
(それ以前は、サッパリでした。)

写真にも、わたしは恵まれた先生がいます。
それは人格ではなくて、空間です。
西荻窪から歩いて十五分ほどの善福寺公園が、わたしの写真の先生です。
ここで、写真の楽しみを学びました。



善福寺公園に向かう道筋の屋内駐車場で、いつも見かけるスポーツカーです。
有名な356(ナンバーもそうですね)ですが、レプリカのようです。
古き佳き時代のスポーツカーの面影が、巧みに再現されています。



今度はバイク。
ヤマハのVMAXと呼ばれる、モンスターバイクです。
1980年代にデビューした大型バイクですが、その近未来的なデザインは今も色褪せていません。
ダミーのエアダクトと燃料タンクがデザインのキーポイントで、スマートなバイオレンス(暴力性)を醸し出しています。
とまぁ、メーカーのセールスコピーみたいな文章を書いてしまいましたが、ここにあるオリジナリティは貴重だと思います。



さぁやって来ました、善福寺公園です。
入口の蓮の池。
しかも今は蓮の花の季節。
モノクロームで、その鮮烈な色をお見せできないのは残念です。
この蓮の池が、わたしの最もお気に入りで、ここで写真を撮るのは儀式のようなものです。



次は、池の先にある遊具場広場です。
ジャングルジムやブランコがありますが、今日は砂場を写してみました。
コンクリートの造形が、何となく楽しい雰囲気です。



ここは蓮の池から道路を渡った、大きな池の方のベンチです。
この空間のパースが好きで、ここも恒例の撮影ポイントです。



最後はボート乗り場のショットです。
カラフルな色合いのボートなのですが、あえてモノクロームを選んでみました。
iPhoneのアプリケーションのカメラ(TOY CAMERA)によって、いつもとは違う善福寺公園が撮れたような気がします。
(iPhoneには標準のカメラ機能が付属していますが、そのカメラを利用した様々なアプリケーションがリリースされています。)

しかし注意したいのは、アプリケーションに遊ばれてしまうことです。
つまり、アプリケーションが設定した範囲で、絵づくりが終始してしまうことです。
例えば、AdobeのIllustratorで作成したグラフィックの多くが、Illustratorティストになってしまっている事実です。
道具は道具であって、道具に遊ばれたら本末転倒です。
そんな戒めが、写真の先生からわたしの耳に聞えてきました。