中込靖成展
NAKAGOMI Yasunari
中込靖成展の展示風景です。
各壁面の展示をご覧下さい。
画廊入口から見て、左壁面の左側と右側の展示です。
正面の壁面です。
正面壁面裏の展示です。
右側壁面の展示です。
以上の13点で中込靖成展は構成されています。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面左側の作品です。
左はタイトル「Landscape #1262」(acrylic on paper)でサイズ18x20 cmです。
右は「Landscape #1267」(acrylic and oil on paper)で18x53 cmです。
左壁面右側の作品です。
左は「Landscape #1251」(acrylic and oil on paper)で86x51 cmです。
右は「Landscape #1247」(oil on canvas)で90x91 cmです。
正面壁面の作品です。
「Landscape #1234」(acrylic and oil on canvas)で138x92 cmです。
正面壁面エアコン下の作品です。
「Landscape #1147」(acrylic and oil on canvas)で91x55 cmです。
正面壁面裏の作品です。
左は「Landscape #1249 」( acrylic and oil on paper)で50x50 cmです。
中央は「Landscape #1151」( acrylic and oil on canvas)で91x55 cmです。
右は「Landscape #12xx 」( acrylic and oil on paper)で00x00 cmです。
右壁面左端の作品です。
「Landscape #1261 」( acrylic and oil on paper)で88x85 cmです。
右壁面右から2番目、3番目、右端の作品です。
左は「Landscape #1266 」( acrylic and oil on paper)で35x30 cmです。
中央は「Landscape #1265 」( acrylic and oil on paper)で35x30 cmです。
右は「Landscape #1264 」( acrylic and oil on paper)で30x32 cmです。<作家コメント>
“Landscapes2017”としてシリーズの中から近作、新作の油彩画、アクリル画を計15点を展示します。
「Landscape(風景)」というタイトルの作品を手懸ける様になってすでに長い年月が経ちます。
このテーマ、モチーフに興味を持ち続け継続出来た動機は、おそらく「Landscape(風景)」」が具体的な特定の場所の再現を目的とはせず、内容として、言わば風景を借景としながら、普遍的な「眺め」の追求に明け暮れてきたからなのではないか、と思っています。
この「風景・眺め」とは、例えばそれに類似した言葉、「風光、風土、風物」など(なぜか「風」の付いたいくつかの言葉)と考え合わせることでもう少し理解をすすめることが出来るかもしれません。
大気や光を表すと同時に大地の様相、自然現象も言い表している-風光。
自分自身を形成してきた地域と共に精神的な環境も含む-風土。
時々刻々と変化する社会現象さえも言及する-風物。
私の絵画の求めるところはこれらを含めた「眺め」の総体を「Landscape」として結実することにあるのだと考えています。
私の今の活動の基本動機であり、また絵画表現を続ける大局的な意味としてローカルとグローバルの共存(多様な人間の共存)を可能にし得る表現をそこに見いだせるのではないだろうか、と思っています。
今回の作品の特徴として、昨年末より取り組み始めた変形のキャンバスを用いた作品があります。
色についても従来の作品には用いなかった色彩の作品も展示致します。
縦位置の台形の画面の作品は、長方形や正方形といった絵画や写真の画面に慣れ親しんだ目からするとやや異なった空間や構成が見えたり、新しい視線の動きを感じ取ったり出来るでしょう。
色彩も含め新しい世界をご覧頂けるのではないかと思います。
私の今年の活動は、1月から2月にかけてタイ・バンコクの美術学校でワークショップ・制作と国際展に参加から始まりました。
4月から6月まではイタリア・ナポリでの滞在制作とフィレンツェ近郊の街、プラトでの企画展に大型作品3点を展示しました。
7月の一ヶ月間はアメリカ・ロサンゼルスのLA ARTCOREギャラリーで個展を開催し、今回の9月から10月にかけてのiGallery DCでの個展へと繋がります。
タイ・バンコクの美術学校は、2006年に私を初めてタイに招聘してくれた学校で、その後の東南アジアでの発表の基点となった学校です。
ナポリは2008年から数々の個展やグループ展を企画してくれたと同時に昨年の日伊国際交流展を共催してくれた都市です。
ロサンゼルスのLA ARTCOREは2002年1月から行き来し、アメリカでの最初の個展を開催していただき、その後の私をアメリカ国内だけでなく様々な形で世界各地に導いてくれた画廊でした。
私の海外での活動の扉を開いてくれた画廊です。
そして今回のiGallery DCです。
オーナーの福田氏は、かつて東京の阿佐ヶ谷で当時では数少ないコンテンポラリーアートの展示空間を持ったアート喫茶店「西瓜糖」を長年経営されていました。
当時美大の学生だった私にとって美術作家としての人生最初の個展を開催させていただいたのがこの「西瓜糖」でした。
私は今年還暦を迎え、本年は作家人生を振り返りつつ、新たな風景の新たな地平線に立つべき年、と予感しておりました。
奇しくもこのような年に、作家人生に於けるこれ以上は無いというような、重要なマイルストーンとなった各地での展示と、これらの原点とも言える福田氏の画廊で個展が開催出来る、という稀有な機会に感謝しつつ、今後に向けた挑戦のステップにしたいと考えております。
皆様の御来廊、ご高覧を心よりお待ち申し上げております。
どうぞ宜しくお願い致します。
2017年9月 中込靖成中込さんの作品は風景をテーマにしていますが、具象画とは言えません。
では抽象画かと言えば、これも違います。
この従来の区分けの難しいところに現代(いま)の絵画があり、存在意義があります。
又、作品内部に「絵画とは何か」という問いを含んでいることも実にスリリングです。
テーマが風景の場合、現実の風景は三次元ですが、これを絵画で表現する場合は二次元になります。
そこで用いられる技法が遠近法です。
とりわけ線遠近法が西洋絵画では一般的です。
しかしこの線遠近法には欠点があるという指摘もあります。
常に風景の外側にいて、言わば窓から外を眺めるような視点しか採れないからです。
中込さんは昨年末から変形キャンバスに取り組んでいます。
この手法を採用した意図の一つに遠近法の問題があると想像します。
つまり固定された視点から逃れて、風景の内側に入ることです。
その結果として、鑑賞者も正面に固定されない視点を得て、多様な角度から風景を眺めることが可能になっています。
考えてみれば、絵画が正方形、長方形の矩形に限られているのは不思議な事です。
歴史を振り返れば、元々絵画は壁面等の固定で不定形なものが支持体であって、キャンバスに描いて持ち運んだのは新興中産階級の勃興以後です。
貴族や教会に代わって、ブルジョアジーが美術の支援者になってからです。
他方で写真の発明以降はカメラ(フィルム)のフレームの形がメディアのスタンダードになります。
映画に始まり、テレビ、パソコン、スマートフォンのモニター。
つまりは、世界の窓は長方形(正方形)ばかりになってしまったのです。
印刷物もグーテンベルグ以降は矩形が標準です。
常識を疑うことが芸術、美術の役割です。
なぜ美術の窓は矩形なのか、なぜ西洋絵画は線遠近法を採用したのか。
それらの問いを含みながら、中込さんは風景の謎に挑んでいます。
風景とは何か、風土とは、風光、風物とは・・・・。
その答えは、(風だけが知っているのではなく)、窓を破壊することから始まるのです。
そして、新たな視点を獲得することが肝要なのだと思います。
ご高覧よろしくお願いいたします。
中込靖成2012年iGallery DC個展
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fuku-mac@@kc4.so-net.ne.jp
(*お手数ですが@を一つ取ってから送信してください。)
中込靖成展
会期:2017年9月24日(日)〜10月22日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜19:00
会場アクセスと展覧会スケジュール