松嶋励路展 -Color/Still Life-
MATSUSHIMA Reiji
松嶋励路展の展示風景です。
松嶋励路展は14点の絵画作品で構成されています。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面、左端の作品です。
タイトル「Color 19-20-a」(油彩/エマルション地,MDF 板に膠で貼った和紙)でサイズ77.9×45×4.5cmです。
左壁面、右側の3点です。
タイトルは左から「Color 21-b」、「Color 21-d」、「Color 21-e」(油彩,テンペラ/エマルション地,MDF 板に膠で貼った和紙)でサイズは各100.6×45×4.5cmです。
正面壁面の作品3点です。
タイトルは左から「Color 21-f」、「Color 21-c」、「Color 21-a」(油彩,テンペラ/エマルション地,MDF 板に膠で貼った和紙)でサイズは各100.6×45×4.5cmです。
正面壁面エアコン下の作品です。
タイトル「Color 19-20-c」(油彩/エマルション地,MDF 板に膠で貼った和紙)でサイズ77.9×4×4.5cmです。
右壁面左側の作品3点です。
タイトルは左から「Still Life 21-a」、「Still Life 21-b」、「Still Life 21-c」(油彩,テンペラ/エマルション地,MDF 板に膠で貼った和紙)でサイズは各36.4×45×2cmです。
右壁面右側の作品3点です。
タイトルは左から「Still Life 21-d」、「 Still Life 21-e」、「Still Life 21-f」(油彩,テンペラ/エマルション地,MDF 板に膠で貼った和紙)でサイズは各36.4×45×2cmです。
<作品について 松嶋励路 >
今回の展示は,”Color” 連作 8 点と ”Still Life” 連作 6 点の14 点で構成されています。
”Color” はここ10 年以上,取り組んでいる連作です。
油絵具を重層させていくことで成 立する作品で,具体的なモチーフはありません。
油彩は3原色とその補色,白のみを使用しています。
透明色を薄層に重層させ,連作の中で重ね塗りの順を変えることにより,微妙に変化する色彩を作り出そうとしています。
道具は,豚毛筆,叩筆,刷毛,ペインティングナ イフを併用し,できる限り薄層に塗り重ねます。
平滑な画面を求めるため,乾燥後,細かい耐水ペーパーで研磨します。
こうして塗り重ねられた絵具層は 30~40 層におよび,油絵具は乾燥に時間がかかるため,制作は長期にわたります。
重ね塗りと研磨を繰り返しながら,鉱物とりわけ瑪瑙や翡翠,蛋白石など,内部に光を含んだような半透明の物質を想うことがあります。
また表面の反射から,水面とそこに映り込んだ影などをイメージすることもあります。
しかし私の絵画は自然物を模したものではなく,制作の過程で変化する画面から,自然を想起することがあるというまでです。
”StillLife” は「静物画」という意味ですが,この連作も具体的な対象を描いているわけではありません。
使用する絵具や重ね塗りの方法も ”Color” と同じです。
この連作は,コン ポジション(構図)または画面分割そのものを主題としており,画面は黄金比によって組み立てられています。
しかしたんなる色面構成にならないよう,絵具の重層により,非対象の中から浮かび上がる「存在」を描き出そうとしています。
(2021/10-11 iGallery DC 個展)Color テキスト2021
Still Life テキスト2021
『絵画の色彩は絵具という材料の色であると同時に, イリュージョンとしての色である.
絵画は, 物質とイリュージョンの両極を行き来しているだけであるともいえる.
しかしその両方で「ある」と同時にそのどちらでも「ない」ということの中に, 絵画固有の領域が現出する.
このように, 「絵画にとって色彩とは何か」という命題は「絵画とは何か」という命題とほぼ同義である点で, 色彩は絵画にとって本質的なものである. 』
上は以前の個展の際に松嶋さんが記したテキストの一部です。
十数年前から続けているCOLORシリーズの概念が簡潔に要約されています。
今回はそれにStill Lifeシリーズが加わっていて、画面には台座、物、背景が描かれているように見えます。
しかしそれには確固としたモチーフがあるわけでもなく、松嶋さんの「何か具体的なものを描きたくなった」という動機以外にはなにもありません。
制作の中心にあるのは、相変わらずの色彩論(=絵画論)です。
しかしながら、Still Lifeシリーズは次の段階へのステップアップに見えます。
十数年の月日が必要とした、大きなジャンプにわたしには思えます。
「絵画とは何か」という命題が、それこそ、ここに具体的に表れているからです。
わたしたちが普段見ているものの「現れ」の実態(つまりは色彩ですが)が表出されています。
無数の光(色彩)を箱状の画面に閉じ込めたのがCOLORシリーズであるとすれば、それは光(色彩)だけで描いた静物です。
静物画が「死せる自然/動かぬ生命」の意であるのに反して、ここには生命の輝きがあります。
色が、色彩が生きているのです。
躍動するような外光=印象派とも異なる、静謐な光の透過が描く「存在」です。
これは絵画論と絵画の幸福な合体ではないでしょうか。
太古から続く絵画というメディアの、秘密の一端を見たような今回の展示です。
ご高覧よろしくお願い致します。
2013年藍画廊個展
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松嶋励路展 -Color/Still Life-
会期:2021年10月28日(木)〜11月14日(日)
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜18:00
会場アクセスと展覧会スケジュール