宗岡さと子展
minamo - falls -
MUNEOKA Satoko
宗岡さと子展の展示風景です。
各壁面の展示をご覧下さい。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
正面の壁面です。
右側の壁面です。
入口横の壁面です。
以上の2点(平面12枚の連作と小品1点)が展示室の展示で、その他小展示室に1点の展示があります。
作品はすべてoil on panel miu grand です。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面の作品です。
連作「minamo -falls- 」で、サイズ300×1920mmが3枚です。
正面壁面左側の作品です。
連作「minamo -falls- 」で、サイズ600×1920mmが1枚、300×1920mmが3枚です。
正面壁面右側の作品です。
連作「minamo -falls- 」で、サイズ300×1920mmが3枚です。
右壁面の作品です。
連作「minamo -falls- 」で、サイズ300×1920mmが2枚です。
入口横壁面の作品です。
「Falls」で、サイズ60×60mmです。
〈作家コメント〉
高いところから低いところへ集まりながら流れていく水の塊が、突如現れた崖へ向かってスピードを上げながら強いエネルギーに吸い込まれるように勢いよく滑り落ち、地に着いた衝撃で自身が飛び出した地点より高く水しぶきが跳ね上がり、その大粒の飛沫は再び下降し絶え間なく周辺に注がれ消えない虹が浮かび上がる。
かつて目にした大きな滝も水、水面(みなも)の形の一つとして画面に写し込もうと絵筆と油絵の具でねじ込んでみました。
皆様の目にあの時の私がみた圧倒的自然の存在が一瞬でも映りましたらば幸いです。
画廊の奥の壁面に横長の油彩画が12枚、それから入口横に小さな小さなアクリル画が1枚。
入口側の壁面がほぼ空いている不思議なレイアウトの展示です。
奥に近づいて油彩画を見てみると、絵が左から右へと180度繋がっていることに気が付きます。
入口横壁面には宗岡さんのテキストがアクリル画の横に掲示されています。
それを読むと、連作の油彩画は滝がモチーフであることが分かります。
左壁面から正面壁面、右壁面に滝の激しい水の流れが描かれていて、奇をてらったレイアウトではなく、自ずと連作に包まれて滝を鑑賞する配置になっています。このスケールのある滝は、宗岡さんが以前訪れたアフリカ南東部にあるヴィクトリアの滝の滝をモデルにしています。
(以前現地では「雷鳴の轟く水煙」と呼ばれていたのが、植民支配したイギリス人が女王の名をとって「ヴィクトリアの滝」などと言う陳腐な名前を付けたのが現在に至っています。)
その圧倒的な滝の存在を、分割して(コマ割りして)表現したのが本展ですが、この手法は近年の宗岡さんの絵画を特徴づけています。滝をテーマにした絵は多く、日本のそれは那智の滝や華厳の滝が有名ですが、概ね幽玄な雰囲気が漂っています。
滝を信仰の対象にしているからですが、宗岡さんの描画は多彩な色に溢れ、大量の水が降下するエネルギーの躍動が表出しています。
小手先ではなく、身体全体を使った筆(刷毛)使いの荒々しさが横長のパノラマで展開されています。水の落下するエネルギーを応用したのが水力発電で、現代の利便な生活の基盤になっています。
他方で水の流れは人の生命の土台であり、生物の生きる源にもなっています。
(もちろん後者の方が重要であり、電気エネルギーの文明生活は時代的なものに過ぎません。)
「雷鳴の轟く水煙」があるアフリカの動物王国は水を巡って生態系が形成されています。
過日見たドキュメンタリーでは、アフリカ象が水を求めて大移動する様を映していましたが、その移動に多くの生物が連なって生きていく過程が印象に残りました。
宗岡さんの描く滝の連作は、自然の圧倒的存在感と生物の生命のエネルギーが重なっているようにわたしには思えました。
ご高覧よろしくお願い致します。2011年藍画廊個展
2012年藍画廊個展
2014年藍画廊個展
2016年藍画廊個展
2018年藍画廊個展
2021年藍画廊個展
会期
2023年7月10日(月)ー7月15日(土)
11:30ー19:00(最終日は18:00まで)
会場案内