鈴木敦子展
「眺め」
SUZUKI Atsuko
鈴木敦子展の展示風景です。
各壁面の展示です。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
正面の壁面です。
以上の6点が展示室の展示で、その小展示室に5点、事務室壁面に1点の展示があります。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面の作品です。
タイトル「水」(油彩、アクリル絵具、色鉛筆、ジェッソ、綿布、パネル)でサイズ97×130.3(F60)です。
正面の壁面です。
「谷」(油彩、アクリル絵具、色鉛筆、墨、ジェッソ、麻布、パネル)でサイズ112.1×162.1(P100)です。
右壁面、左端、中央の作品です。
左は「水平線」(油彩、アクリル絵具、色鉛筆、ジェッソ、ジュート、パネル)でサイズ15×60.3です。
右は「海辺」(油彩、アクリル絵具、色鉛筆、ジェッソ、ジュート、パネル)でサイズ15×31.1です。
右壁面、右端の作品です。
「ミナモ」(油彩、青金、墨、カンヴァス、木枠)でサイズ89.5×145.5(M80)です。
入口横壁面の作品です。
「The patterns」(油彩、アクリル絵具、色鉛筆、墨、ジェッソ、綿布、パネル)でサイズ130.3×97(P60)です。鈴木敦子さんの絵画に描かれているのは風景です。
河川、渓谷、海、水面、樹皮。
それらの風景は、どこか親しい。
なぜ親しいかといえば、鈴木さんの手が関わっているからです。
一般に、西洋絵画の風景は神の背景であったり、観察する対象でした。
東洋では人と風景は一体化していましたが、近代化された以降はその縁も遠くなりました。
なぜなら絵画の中心が西洋絵画になったの同じように、風景は客体となって、利用するものになったからです。
それで本展のサブタイトルは「眺め」。
見るではなく、眺めて風景を取り戻す試みです。
方法的には、風景を縫い付ける。
布に描いた風景に糸で縁取る。
また、風景の一部をパターンとして私有化して、同化する。
自分が眺めた独自の風景を、具象的な風景に嵌め込むのです。
それは風景の抽象化ではなく、風景に入っていく行為です。
だからこれらはあくまで鈴木さんの風景ですが、わたしの風景にもなりうる。
なぜならわたしはそれを美しいと感じ、その風景に恋するからです。
例えば左壁面の「水」は、わたしの住居の近所の笛吹川。
いつも眺めている川です。
それがこんなふうに描写されるとは、その視線と同化に驚き、心が騒ぎます。
正面の「谷」は、山梨の白州の尾白川渓谷。
ここにも何回か行ったことがあります。
精緻な描写に大胆な模様=パターンのミキシング。
見事な私有化であり、同化です。
三次元の風景を二次元で表現した、絵画の醍醐味でもある。
インスタ映えの風景は数々あれど、風景の私有や同化はありません。
「眺め」て、風景に入っていく。
画家の視線が職人の手業と合体して、布に展開される一枚の絵。
ご高覧よろしくお願いします。
2006年藍画廊個展
2007年藍画廊個展
新世代への視点2008/鈴木敦子展
2010年藍画廊個展
2012年藍画廊個展
2014年藍画廊個展
2015年iGallery DC個展
2019年iGallery DC個展
会期
2020年1月27日(月)ー2月1日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内