高橋辰雄展
(東京トランスファー)
TAKAHASHI Tatsuo
高橋辰雄展の展示風景です。
各壁面の展示です。
画廊入口から見て、左の壁面です。
正面の壁面です。
右側の壁面です。
入口横の壁面です。
以上の7点で高橋辰雄展は構成されています。
作品のタイトルはすべて「Untitled」です。
作品の詳細をご覧下さい。
左壁面の作品です。
インスタレーション(ミクストメディア)で、サイズは可変です。
正面壁面の作品です。
インスタレーション(ミクストメディア)で、サイズは可変です。
右壁面の作品です。
インスタレーション(ミクストメディア)で、サイズは可変です。
入口横壁面、左端、左から2番目の作品です。
共にミクストメディアで、サイズ300×300mmです。
入口横壁面、左から3番目、右端の作品です。
共にミクストメディアで、サイズ300×300mmです。
高橋さんの個展は本年(2019年)のiGallery DCに続いてのものです。
基本的な作品の成り立ちは同じで、今回インスタレーション3点がメインになっているが特徴です。
透明度の高いアクリル板と木の板、紙、金属製網などで構成されたインスタレーションですが、幾何学的要素の強い作品です。
厳密な計算を避けた、自由度の高い空間が、中庸な美に結実しています。
冷たくもなく、温かくもなく、風通しの良い空間を、最小の要素で作り上げているのは流石です。
2019年iGallery DCでの個展のシリーズとも言える展示ですので、以下はその時に記したテキストです。
鑑賞の参考になれば幸いです。
高橋さんの作品を見ていると、イギリスの抽象絵画の作家の名前が頭に浮かびました。
ベン・ニコルソン(1894〜1982)。
徹底した幾何学的抽象で、彫刻的要素も多分に含んだ作品を制作しました。
このベン・ニコルソンのルーツを探るとロシア・アヴァンギャルドに行き着きます。
ロシア・アヴァンギャルドはロシア革命(1917)と共に生まれた芸術運動です。
今思えば、ロシア革命は政治の前衛と芸術の前衛が一体となった稀な例です。
そのロシア・アヴァンギャルドの代表的な芸術形式がロシア構成主義とシュプレマティズムです。
工業的な実用物を使って、抽象的な美を構成していきました。
高橋さんの作品を構成しているものも実用的な日用品。
幾分チープで使用感のあるものを、ドローイングのような、コラージュのような技法で構成していく。
素材もブルジョワジー(富裕層)の好む高級素材とは無縁。
ロシア革命が工業的発展を基盤にしたように、高橋さんも幾何学的な美が基調。
高橋さんの政治思想は不明であり、穏やかな言動の人ですが、作品には革命の香りがします。
革命が孕んでいたユートピア思想をどこかに感じるのです。
ロシア・アヴァンギャルドはスターリン時代に弾圧され、凡庸な社会主義リアリズムに取って代わられます。
そこにはユートピアの欠片もなく、負の遺産が大きくなっていくばかりでした。
今は革命の時代ではありません。
しかし聡明なユートピア思想は必要であり、風通しの良い美術も必要です。
高橋さんの透明なアクリル板を多用した今回の展示。
今の時代にこそ輝く作品だと思います。
ご高覧よろしくお願い致します。
2013年iGallery DC個展
2019年iGallery DC個展会期
2019年10月7日(月)ー12日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)
会場案内