藍画廊


菊池絵子展
KIKUCHI Nuiko

菊池絵子展の展示風景です。



今回の各壁面の展示画像は詳細が分かり難いため割愛させていただきます。
本展は展示室の展示が13点、小展示室が2点の展示になっています。
作品の詳細をご覧下さい。


画廊入口から見て、左壁面の左端、左から2番目の作品です。
左はタイトル「旅行記 -スープ、雪、2 枚の紙」(紙・鉛筆・色鉛筆)でサイズ148×100mm、
右は「海、三鷹市、3枚の紙」(紙・色鉛筆)で297×210mmです。



左壁面、左から3番目、右端の作品です。
左は「旅行記 -川、ニューヨーク、2 枚の紙」(紙・鉛筆・色鉛筆)で190×265mm、
右は「雪、月、2 枚の紙 」(紙・色鉛筆)で297×420mmです。



正面壁面、左端の作品です。
「布、湖、2 枚の紙」(紙・色鉛筆)で364×516mmです。



正面壁面、中央、右端の作品です。
左は「雪山、プリン、2 枚の紙 」(紙・色鉛筆)で420×297mm、
右は「ケーキ、砂漠、2 枚の紙」)(紙・色鉛筆)で182×257mmです。



右壁面、左端、左から2番目の作品です。
左は「旅行記 -食卓、空、2 枚の書」(紙・鉛筆・色鉛筆)で218×307mm、
右は「旅行記 -ごはん、川原、2 枚の紙 」(紙・鉛筆・色鉛筆)で148×100mmです。



右壁面、左から3番目の作品です。
「折り返し地点、ご飯、2 枚の紙」(紙・色鉛筆)で500×400mmです。



右壁面、左から4番目、右端の作品です。
左は「旅行記 -テーブル、砂漠、ポスター 」(紙・鉛筆・色鉛筆)で377×538mm、
右は「旅行記 -壁、ゴルフ場、 本」(紙・鉛筆・色鉛筆)で297×210mmです。



入口横壁面の作品です。
「歩く・赤ずきんの場合」(紙・木・色鉛筆)で238×1895mm(開いた状態)です。


「歩く・赤ずきんの場合」の部分です。

〈作家コメント〉
今、自分がいるこの場所と、遠く離れたあの場所を自由に行き来するための最小限の方法、
想像力を使った旅について考えています。
近くも遠くもこの紙の上では同じようにそこにあるので安心。
いつもよりも少し、思い切ることもできると思うのです

白い紙に絵を描く。
その時、背景の余白は暗黙の了解で<無>とされます。
ところが菊池さんの絵では、それが砂漠であったり、雪面であったり、御飯であったり、します。
その<有>に気付かされるのは、同一平面上に2つ以上の時空を超えた出来事が描かれているからです。
そしてそれ以上に複雑なのは、<有>は紙という<有>の存在の上に展開されているという構造をも含んでいるからです。
つまり、見る者は自然と余白を読んで事態を理解し、二重三重の罠を楽しみ、地と図の反転に驚きます。

この経験は、裸眼による3D画像を見て、絵が突然立体に見えた時の驚き(喜び)にどこか似ています。
ただ決定的に違うのは、そこに批評があるかどうかです。
3D画像は単なる楽しみであり、深い考えに誘うものではありません。
菊池さんの絵には、絵というメディアの持っている複雑な構造に対する自己言及があり、その上でエンターテインメントを展開しています。
人間の見るという行為に対する洞察と絵の快楽が一体化していて、それを同時に享受できる仕組みになっているのです。

そのアクロバティックな画業を支えているのは、類まれな描画の技術と色彩センスです。
昨今は写実ばやりで、超絶技巧の絵画が持て囃されています。
しかしのその多くは写真ばりの写実=リアリティだけで成り立っていて、技術のための技術でしかありません。
本当の写実=リアリティ
とは、現実を見る眼力とそれを表現できる技術によって為されます。
その意味で、菊池さんの絵こそ、写実絵画の果実なのです。

菊池さんの色彩センスも特筆すべきもので、何の変哲もない普通の色鉛筆から魔法のような色彩が生まれています。
ただただウットリしてしまう、深みのある鮮やかな色の数々。
それが文字通り、画面で展開される旅=物語に色を添えています。
さぁ、出発しましよう、日常と異界が隣り合わせの、不思議な不思議な白い紙の冒険へ!

ご高覧よろしくお願い致します。

プライスリスト

菊池絵子2007年藍画廊個展
菊池絵子2008年藍画廊個展
菊池絵子2009年藍画廊個展
菊池絵子2010年iGallery DC『DC1』
菊池絵子2012年iGallery DC
菊池絵子2013年藍画廊個展
菊池絵子2016年藍画廊個展
菊池絵子2017年iGallery DC二人展

会期

2019年8月5日(月)ー10日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)

会場案内