高橋俊文展
TAKAHASHI Toshifumi
高橋俊文展の展示風景です。
画廊入口から見て、左側の壁面です。
タイトル「 ノワール - 24」でサイズ130.3(H)×162.0(W)cmです。
正面の壁面です。
「ノワール - 29」で130.3×162.0cmです。
右側の壁面です。
「ノワール - 1」で130.3×162.0cmです。
入口横の壁面です。
左から、「ノワール - 41」で60.6×72.7cm、「ノワール - 47」で60.6×72.7cmです。
以上の6点が展示室の展示で、その他小展示室に4点の小品展示があります。
作品はすべて、キャンバスにアクリル絵具です。
左壁面の「 ノワール - 24」です。
「 ノワール - 24」の部分です。
正面壁面の「 ノワール - 29」です。
「 ノワール - 29」を側面から見た画像です。
右壁面の「 ノワール - 1」です。
入口横壁面の「 ノワール - 41」です。
同じく入口横壁面の「 ノワール - 47」です。
〈作家コメント〉
黒い絵具を塗る。占をする。トラを見に行く。ドレスを買う。あなたに、流しこんで埋ずめる。
黒い絵具の黒の帯、黒の光。分断。ぐらぐらしている。ちからのあるなしについて。。
ノワール、漆黒の絵画です。
幅広の刷毛でのたうつように描かれた軌跡の数々。
これ以上は厚くできないかのような画面の厚み。
まずはその絵の具の分厚さと、筆致の大胆さに驚かされます。
高橋さんの絵画にモチーフはありません。
白紙の状態で画面に向かい、100号の大きさのキャンバスを15〜30分ほどで描き上げます。
その前の準備段階で黒のアクリル絵具をメディウムと混ぜるのに30分ていど。
都合1時間前後で作品は仕上がります。
しかし、キャンバスに向かい合うまでには1ヶ月を要します。
いってみれば、助走(思考)段階です。
この画面に触れない助走段階が、高橋さんの絵画を大きく左右します。
陸上競技の走り幅跳びなどの助走が跳躍に大きく影響するように、助走が重要な要素になっています。
黒一色で分厚く塗られた絵画。
筆致は即興を重視して、塗りたくったような様相のもの。
高橋さんの絵画を簡単に説明すれば、そうなります。
そこから想像されるのは、重くて、力強い絵画です。
ヘヴィーな絵画です。
ところが、じっくり見ているとその印象はガラリと変わります。
画面に重さや圧迫感を感じない。
圧倒的ともいえる絵の具の物質感の向こうに、何かが見えてきます。
それは、恐らくは、助走(思考)が持っている精神性です。
試行錯誤しながら、形作られる精神の在り方です。
それが描画の15分〜30分の間に、立ち上ってきます。
身体に精神が宿る時間です。
(これは単なる比喩ではなく、作品は、実際に手よりも身体を使って描画します。)
高橋さんの絵画は1回限りのパフォーマンスです。
そこに表れてくる、身体と精神の関係。
それを導き出す、時間の流れ。
圧倒的に物質的でありながら、逆説的に、非常に精神性の強い(高い)絵画だと思います。
ご高覧よろしくお願い致します。
会期
2013年10月21日(月)ー10月26日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)