中井弥生子展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。 左から、作品タイトル「赤の気 景2」で、作品サイズF50、 「赤の気 景1」で、F50、 「青の廊下 気」で、F50です。 |
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入口横右の壁面です。 左から、「気1」で、F15、 「気2」で、F20です。 |
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左側の壁面です。 左から、「slider 1」で、M12、 「宙」で、S3、 「slider 時空の気」で、F130、 「景1」で、M6、 「景2」で、M6です。 |
以上の十点が画廊内の展示で、その他道路側ウィンドウに一点、芳名帳スペースに一点の展示があります。
作品はすべてキャンバスにアクリル絵具を使用しています。
本展は『「金の美・銀の座」金沢美大同窓会による 東京・銀座大展覧会』参加展です。
左壁面の「slider 1」と「宙」です。
「slider 1」は横に二分割された画面で、モノトーンに近い色相ですが、赤が全体を支配しているように見えます。
「宙」は絵具を塗るというより、染み込ませて画面を作っています。
これも赤が印象的です。
同じく左壁面の「slider 時空の気」です。
F130号の大作で、画面は縦方向に動きがあります。
前回の個展のキーワードは「slider 」でしたが、今回は「気(き)」です。
正面壁面の「赤の気 景2」と「赤の気 景1」です。
連作で、同サイズの画面を横と縦で繋げています。
右壁面の「青の廊下 気」です。
全体的に赤の色彩が目立つ展示ですが、「宙」と共に青で変化を与えています。
入口横右壁面の「気1」です。 小品らしい、引き締まった画面です。 |
中井さんが真っ白なキャンバスに向かう時、頭の中には何のイメージもないそうです。
いわば、無心の状態です。
その状態から色を作り、ナイフでペイントしていきます。
色やナイフの動き、染み込みが作る画面は、中井さんの現在の心身の有様を現しています。
又現すように、集中して画面に向かいます。
心身の有様とは、不可視の気、ないしは気の流れです。
それを絵画として、視覚化する。
タイトルで「気」と共に用いられているのが「景」です。
「景」とはながめ、景色で、世界の有様のことです。
では中井さんの絵画が心象風景かといえば、違うような気がします。
「気」を「景」に準(なぞら)えていないからです。
つまり、心身の状態をある景色(イメージ)として描いているわけではありません。
「景」にあるのは「気」そのもので、そこから景色が展開されています。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2004年藍画廊個展