伊藤寛幸展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。 展示作品は「Light」シリーズと「Shadow」シリーズの二つがあります。 正面壁面の二点が「Light」で、その他は「Shadow」になります。 「Light」は綿布にアクリル絵具、ワックス、パネルを使用しています。 サイズは共に50×70cmです。 |
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入口横右の壁面です。 「Shadow」シリーズです。 「Shadow」はデジタルプリント、トレーシングペーパー、ワックス、パネルを使用しています。 |
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左側の壁面です。 「Shadow」シリーズです。 「Shadow」の作品サイズはすべて18×25.5cmです。 以上の十点で伊藤寛幸展は構成されています。 |
左側壁面の作品をご覧いただきます。
左はビルの窓、右は障子戸を撮影した画像がベースです。
撮影した画像は補正を施した後、インクジェットでトレーシングペーパーに出力されています。
その上にワックスを何回かかけて、パネルに仕立てあります。
同じく、左壁面の作品です。 カーテンを写した作品ですね。 絵画の要素は色と形ですが、ここには色がありません。 形だけの絵画です。 その形も最小限の要素である、光と影だけで、「Shadow」は影が主役になっています。 |
正面壁面の作品です。
ドットが規則的に描かれた作品ですが、建物の窓の光をモチーフにした作品です。
明暗を反転すると、ドットは光になります。
「Light」シリーズの二点は写真ではなく、エアブラシによる手描きの作品です。
再び「Shadow」シリーズの作品です。
右側壁面の二点です。
左は波板ガラスを、右は窓を撮影した画像がベースになっています。
入口横右壁面の作品です。 窓が並んだビルの外観です。 |
「Shadow」と「Light」。
主役の違いはあっても、どちらも「光」と「影」の作品です。
要素がミニマルな具象ですが、作品が表現している空間はミニマルではなく、広くかつ奥行きがあります。
しかも、時間を感じさせる作品です。
ボンヤリした風景の作品に近づくと、風景は写真のようであり絵画のようでもあります。
あるいは、その境界にあるのかもしれません。
又、風景は現実であって非現実でもある、曖昧な像に見えます。
時間も定かではない。
伊藤さんの作品は、詩のような、映像作品です。
「光」と「影」で書かれた、詩のような作品。
言葉の少なさが想像力を刺激する、優れた詩のような作品ではないか、と思いました。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2004年藍画廊個展