伊藤寛幸展の展示風景です。
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画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。 正面の三点はタイトルなしで、 スクリーンプリント、ワックス、ポリマー樹脂、パネル。 サイズは、各36.4×25.7cm。 右は「landscape」で、 スクリーンプリント、ワックス、ポリマー樹脂、パネル。 33×66cm。 |
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右側と入口横右の壁面です。 右壁面の左は上で紹介した作品です。 その右は、「landscape」で、 スクリーンプリント、ワックス、ポリマー樹脂、パネル。 33×66cm。 入口横右の二点は、 「forest#1」と「forest#2」で、 エッチング ベランアルシュ紙、雁皮紙。 各28×18cm。 |
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左の壁面です。 四点共タイトルなしで、 スクリーンプリント、ワックス、ポリマー樹脂、パネル。 各28×28cm。 |
本展の照明は天井の蛍光灯が主体で、白熱灯は補助的に使用されています。
作品のボンヤリした雰囲気と照明が、通常とは異った画廊空間を作り上げています。
では、作品をご覧いただきます。
まず正面の三点からです。
基になっているのは写真で、シルクスクリーンプリントとワックスを使用しています。
上の作品、ビルの部分でしょうか。
コントラストの低い画像ですが、独特の表情を持っています。
現実と非現実の間のような。
こちらもビルに見えますが、いずれにしても建造物の幾何学的パターンの組み合せではないでしょうか。
何か、古い映画を観ているような気分ですね。
ビルの室内の映像のようです。
吹き抜けのロビーでしょうか。
左に二基のエスカレーターが見えます。
これも画像の所為か、昔の景色のようです。
次は、右側壁面の一点をご覧いただきます。
題名の通り、風景ですね。
堀、あるいは川、池の周りに立つ建物を写したものです。
何処かで見たような風景ですが、思い出しません。
現実で見たのか、それとも映画の一シーンで見たのか・・・・。
左側壁面の一番右の作品です。
樹木ですね。
白い壁に映った影に見えますが、濃淡があるので影ではないですね。
樹木本体を撮影したものと思われますが、一見すると影のようにも見えます。
樹木には影ができますが、陰もあります。
光の、問題です。
最後は入口横右の二点です。
これは写真を使用したエッチングの作品です。
左が交錯する影、右はビルの部分のようです。
表情はスクリーンプリントの作品と同じです。
伊藤さんの作品を観ていると、「記憶」や「夢」という言葉が浮かんできます。
しまい込まれた「記憶」や、「夢」の中で見る景色が浮かんできます。
頭の中で、光の像となって貯蔵されている景色。
実体ではないが、自身にとっては欠くことのできないそれらの像。
ボンヤリと作品が浮かんでいる画廊空間は、「記憶」や「夢」のアーカイブ(書庫)のようです。
そしてアーカイブを構成しているのは、「光」のような気がします。
ご高覧よろしくお願いいたします。