池田仁美展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。 三点共、サイズは1030×725mmです。 |
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入口横右の壁面です。 この二点も同じサイズで、295×210mmです。 |
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左側の壁面です。 左は、180×140mm、 右は、1030×725mmです。 作品はすべて、和紙と洋紙にパステルを使用しています。 |
画廊内の作品は以上の七点で、その他、道路側ウィンドウに二点の展示があります。
作品の制作方法は前回と基本的には同じです。
貼った紙にパステルで描き、それを剥がして又描き、それを又剥がして描く、の繰り返しです。
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左壁面の小品です。 プロトタイプ(原形)ともいえる作品で、紙を剥がした回数が少ないですね。 パステルの描画の大部分が残っています。 |
左壁面の大きな作品です。
まず和紙をパネルに張って、パステルで描きます。
その上に洋紙を貼って、同じようにパステルで描き、それを剥がします。
剥がすと紙が裂けて、紙の表面の下にある白い部分が多く残ります。
その上に又紙を貼って、描いて剥がします。
その繰り返しに、ドローイング(線描)を加えながら、作品は完成されていきます。
正面の壁面の作品です。
一見すると同じように見える作品ですが、ドローイングの動きがまったく違います。
描いた紙を剥がす時、薄い紙の層は不定形に剥がれます。
糊付けした紙を剥がした時のことを思い出して下さい。
大抵はキレイに剥がれず、無様に剥がれますね。
これを意図的にやって、偶然の結果を制作の過程に取り込んでいます。
描いて剥がして、貼って描く、そして又剥がす。
池田さんと紙のジャムセッションのような作品です。
作品を見ていたら、人の生き様を想像してしまいました。
スタートと挫折と再スタートの繰り返し。
そうやって、人は生きていき、時間は流れます。
わたしの勝手な想像ですが、そんな生き様がこのような美しい絵画になるとしたら、それは幸せなことかもしれません。
逆説的にいえば、生きていく軌跡は各々異なっていても、同じように美しい絵図を描いているのかもしれません。
入口横右壁面の小品です。 作品のベースがなっているのは黄系の色彩です。 (上でご紹介した作品は赤青系がベースになっています。) ドローイング(線描)がリズミカルで、音楽を連想させる作品です。 |
ご高覧よろしくお願いいたします。
2003年藍画廊個展