菊池敬子展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。
左から、タイトル「トンネル」で、サイズはM60号、
「無題」で、F8号、
「ネオン2」で、F8です。
入口横右の壁面です。
左から、「夜」で、S15号、
「ビル」で、F50号です。
左側壁面です。
左から、「ネオン」で、F50号、
「朝」で、S15号です。
画像には写っていませんが、「ネオン」の左に「無題」(S15号)があります。
その他、道路側ウィンドウに一点(ボードに油彩)の展示があります。
画廊内展示作品はすべてキャンバスに油彩です。
菊池さんの藍画廊個展をご紹介するのは三回目ですが、テーマはいずれも光です。
光の存在の仕方と、それを認識している人間の内側をダブらせて描いています。
正面壁面の「トンネル」です。
トンネル工事に使用する光源の軌跡を描写した作品です。
(テレビ映像で見て、それをデフォルメしたそうです。)
具象でありながら抽象でもあるのは、菊池さんの手法です。
トンネルの暗闇に映しだされた、光の流れ。
左側壁面の「ネオン」です。
上の「トンネル」とは対照的な色相ですね。
赤いネオンですが、ケバケバシイ感じはしません。
精一杯自己主張していながら、しかも光の暖かさが伝わってくるネオンです。
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右壁面の「無題」です。 夜の空間に漏れてくる光でしょうか。 建物の窓かも知れませんし、反射した光かもしれません。 左上の赤い小さな色面が、画面全体の重(おも)しになっているように見えます。 菊池さんの作品の特色が最も表出された作品、と思いました。 |
最後はちょっと異色の作品です。
道路側ウィンドウの展示作品です。
夜の室内のスタンドの灯を、そのまま描写した作品です。
菊池さんの内側でデフォルメされる以前の、光の状態が描かれています。
左側の黒い色面とスタンドの光の様相の対比が、夜の室内が落着きと静寂に包まれていることを表現されています。
わたし達は、光そのものを見ることはできません。
光の反射を見て、光を感知します。
真昼の溢れるような光のシャワーは、自然の生命力を象徴しています。
菊池さんが専ら描くのは、夜の人工の光です。
そこに色濃く現われてくるのは、光と人間の内面の関係です。
光を見ている、人の心の在り方です。
つまり、光と心の反射が一体になったものを、描こうとしているのではないでしょうか。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2001年藍画廊個展
2003年藍画廊個展