久保崎麦展の展示風景です。
額装された銅版画の展示です。
エッチングかエッチング+アクアチントで制作されています。
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画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。 左から、タイトル「遠い森」で、サイズは13.2×17.6cm、 「ツタの家」で、14.7×17.7cm、 「残された島」で、11.7×17.6cm、 「塔の夜 II」で、9×12cm、 「モノガタリ」で、9×12cmです。 |
入口横右の壁面です。 左から、「切り株からうまれたはなし」で、16.7×22.5cm、 「蜂」で、11.8×17.9cmです。 (一番左の作品は上の「モノガタリ」。) |
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左の壁面です。 左から、「霧ケ峰」で、9.5×17.7cm、 「夢の跡」で、13.2×17.7cm、 「モーツァルト:魔笛」で、11.8×17.8cmです。 |
画廊内の展示は以上の十点で、その他道路側ウィンドウに一点、芳名帳スペースに一点の展示があります。
それでは、展示作品の中から任意にセレクトした三点を覧いただきます。
正面壁面の「残された島」です。
(額のガラス越しに撮影していますので、若干の映り込みがあります。ご了承下さい。)
残された島に残された、複葉機と線路と小舟。
線路は海中まで延びている様子です。
ちょっとレトロで、ちょっとメカニックな幾何学的な島。
残され島に残されたのは、想像力かもしれません。
希望をエンジンにした、想像力かもしれませんね。
左壁面角の「モーツァルト:魔笛」です。
唯一の色彩作品で、銅版画に手彩色されています。
「魔笛」を指揮しながら演奏するモーツァルトです。
ピアノの中は「魔笛」の舞台と客席。
オーケストラボックスもありますね。
夢想の世界ですが、アニメーション的(例えば「ファンタジア」)な楽しさがあります。
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右壁面の「モノガタリ」です。 子供の頃見た、飛び出す絵本のようですね。 本から飛び出した川や道路がどこまでも続きます。 船の通過で跳ね橋も跳ねています。 |
久保崎さんの作品は、比較的小さな銅版画です。
小さいにも拘わらず、その作品世界は画面の外まで拡がっています。
作家の想像力、夢想が、鑑賞者の想像力、夢想を誘い、日常の外に連れ出します。
それを可能にしているのは、久保崎さんの素直な感性と素直な表現です。
2003年藍画廊個展