渡邊志野展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。 左はタイトル「かぎりなくやさしい・・・のか?」で、サイズは91×130 cm。 右は「健全祈願」で、P120号です。 |
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入口横右の壁面です。 左は上でご紹介した作品です。 右は「旅断ち」で、F12号。 |
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左側の壁面です。 左は「めがね党」で、F10号。 右は「そこでひらめいた」で、S60号。 以上の五点が画廊内の展示で、その他道路側ウィンドウに一点の展示があります。 作品は「そこでひらめいた」のみが綿布に油彩で、他はすべてキャンバスに油彩です。 |
それでは一点づつご紹介したいと思います。
左側の壁面の小さな作品からご覧下さい。
「めがね党」です。
面白いタイトルですね。
(わたしも中学生のときから、めがね党です。)
四角い木のようなものがめがねをかけています。
その木は細い金属の棒で支えられています。
展示用なのでしょうか。
左側壁面の「そこでひらめいた」です。
風景ですね。
渡邊さんの説明では、イナカの廃校のプールだそうです。
正面壁面の作品です。
イナカの道を急ぎ足であるく男と、それを待っている二人の人物。
白い割烹着の人はお母さんでしょうか。
と想像した画面ですが、渡邊さんの説明では有楽町の東京国際フォーラムの中庭だそうです(!)。
でも、イナカの道を想像しても一向に構わないと思います。
そういう絵画だと思います、渡邊さんの作品は。
次は、右側の縦長の大作です。
緑の上で太極拳をやっている二人。
(恐らく、この想像も違っていると思いますが。)
ノビノビとした風景を感じさせる作品です。
最後は右横の「旅断ち」です。
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抽象的な絵画に見えますが、藍画廊の壁面と道路側入口(ガラス戸)を描いた作品です。 ピンクの面が右側の壁面で、ブルーの面が道路に面したガラス戸です。 それで「旅断ち」とは? この個展の制作に入るために、大好きな旅を断つ。 そういうことかもしれません。 |
ボンヤリとした風景に謎のようなタイトル。
平面的な構図が意表を突きます。
色彩は軽くて、淡い色が中心。
前回個展と同じ、渡邊志野さんの絵画です。
軽くて明るい絵かといえば、そうでもありません。
どこかにシコリのようなものがある。
揺れ動いている心があります。
世界と対峙する自己の儚(はかな)さと愛おしさが、画面の中で同居している気がします。
実にストレートに、素直に、世界と対峙している作品世界です。
ご高覧よろしくおねがいいたします。
2003年藍画廊個展