綿引展子展の会場風景です。
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画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。 左から、 タイトル「拮抗し 素手で 受けとめる」で、 194×130cm(和紙にオイルパステル)。 「ひとり」で、 18×14cm(和紙にオイルパステル)。 「せきしても」で、 18×14cm(和紙にオイルパステル)。 「私を 置き去りにする」で、 61×50cm(和紙にオイルパステル)。 |
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入口横右の壁面です。 「ことだま」で、 100×80cm(和紙にオイルパステル)。 |
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左側の壁面です。 左から、 「いずれは ひとり なのだから」で、 21×15cm(和紙に墨、オイルパステル)。 「憎悪の点検」で、 194×130cm(和紙にオイルパステル)。 |
以上七点が画廊内の展示です。
その他、道路側ウィンドウに一点、芳名帳スペースに二点の展示があります。
任意に選んだ作品をピックアップしてご覧いただきます。
それでは、大作からいきましょう。
作品サイズ(194×130cm)に合わせて、大きな画像にしてみました。
左側壁面の「憎悪の点検」です。
和紙にオイルパステルで描かれています。
画廊で作品の表面を見ると、和紙にパステルが密に塗りこめられているのが良く分ります。
油彩とは異った発色、マチエールで、綿引さんの作品の特色です。
右側壁面の「私を 置き去りにする」です。
色彩の美しい作品ですが、ちょっと痛い絵ですね。
タイトルも痛い。
入口横右の壁面の「ことだま」です。
口から言葉が繋がって出ていますね。
ユーモラスに見えますが、噛みしめた歯には言葉を発する決意もありそう。
零れ落ちる言葉、かもしれません。
次は小品にいってみまししょう。
入口横左の壁面の「いずれは ひとり なのだから」です。 顔が二つ重なっています。 各々の表情が違います。 「いずれは ひとり なのだから」。 不安と決心、なのでしょうか。 |
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正面壁面の「ひとり」と「せきしても」です。 俳句(尾崎放哉作)から採られたタイトルのようです。 端的にいえば、孤独を現した作品です。 構図と省略された人物と表情、色相が言葉の間にある何か表出しています。 顔の色彩が秀逸です。 |
綿引さんの作品は初期から拝見していますが、彼女のテーマは「自分」です。
初期には、自分自身の幼い頃の写真をコラージュに使った作品もありました。
「自分」をテーマにするのは結構厄介です。
個別な体験や環境が独り歩きしてしまう危険があるからです。
見る側の個別な体験や環境とすれ違ってしまったら、単なる独り言になってしまいます。
その厄介で危険なテーマで一貫して描き続けてきた、綿引さん。
描くことで疲れを癒し、しかし描くことで、又疲れる。
その連続の成果が今回の展覧会です。
螺旋の階段を登って、綿引さんは随分と遠い(高い)ところに来たような気がします。
ご高覧よろしくお願いいたします。
大胆不敵展(内田かんぬ/佐藤梨香/綿引展子)