柳澤裕貴展の展示風景です。
画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。 左から、 「流れゆく記憶の中で」 91×91cm。 「ゆらめきの中で」 91×91cm。 「日常の向こう側」 45×45cm。 「流転する時間」 45×45cm。 |
|
入口横右の壁面です。 左から、 「移り行く記憶」 45×51cm。 「あふれる記憶」 45×51cm。 |
|
左側の壁面です。 「見えそうで見えないもの」 130×130cm。 以上が画廊内の作品で、その他道路側ウィンドウと芳名帳スペースに各一点の小品が展示されています。 |
作品はすべてパネルにアクリル絵具を使用しています。
描かれているのは公園の風景です。
柳澤さんは群馬の高崎在住ですが、ご近所の公園(三ヶ所)を描いたものです。
「見えそうで見えないもの」です。
描かれているのはすべり台と樹々ですが、影が中心なっています。
この画像ではお分りにならないかと思いますが、マチエールが通常の絵画とちょっと違います。
ちょっとデコボコしています。
パネルにアクリルで描いた後、全体をホワイトで塗り潰し、グラインダーでその再びホワイトを削ってあります。
(すべての作品がこの工程で制作されています。)
公園。
公園は、町の喧騒や慌ただしい時間の流れの中でエアポケットのような空間です。
そこには日常とは違った空間があり、時間が流れています。
そして、影。
影も普段は意識しない存在です。
ホワイトをかけて、それを削る。
この作業は何を意味しているのでしょうか。
日常から日常の向こう側に行くための、イニシエーションなのでしょうか。
画廊内に展示された四点の小品です。
樹々に、遊具に、小道に、水飲み場。
ありふれた公園の風景のようですが、違いますね。
こちら側ではなくて、向こう側の風景ですね。
向こう側とは何処でしょうか。
それは、記憶や心に堆積した風景なのかもしれません。
記憶や心の影なのかもしれません。
公園とは、そういったモノに出会う場所なのです。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2002年藍画廊個展