「世界」2009 小林聡子展(2)
KOBAYASHI Satoko



(1)
の最後の白い作品(左から2点目)のある正面壁面から、事務室壁面に繋がる展示風景です。



今度は反対に、事務室の中から正面壁面の方向を見てみました。




事務室壁面は、上の2点の立体と2点のドローイングが展示されています。
左の水色が「cup 2」(16.6×2.27×3.2)で、右の白は「color 4」(8.4×11.0×3.0)です。
紙箱のインスタレーションが、展示室から事務室壁面へと続いているのが分ります。



こちらは小展示室(入口横壁面の隣り)の展示です。
上の3点の立体と1点のドローイングが展示されています。
立体は左から「color 10」、「color 1」、「color 2」で、サイズはすべて8.4×11.0×3.0cmです。



入口横壁面のドローイング作品「Seed 1」(38.0×47.0)です。
ドローイングは水彩でドット(点、水玉)が描かれています。
ドローイングは、ドットと空間の関係が独特です。
(上の画像とページトップの小さな画像は、長塚秀人さんの撮影です。)



左壁面の2点です。
左は「purse 1」(10.5×12.0×4.3)で、右は「color 3」(8.4×11.0×3.0)です。



最後の2点は正面からの撮影で、右側壁面の作品です。
左は「brooch 1」(9.9×9.9×3.7)で、右は「color 5」(8.4×11.0×3.0)です。



画廊に入ると、三面の壁を使ったインスタレーションと正対します。
そこで感動するのは、三面の白い壁面の美しさです。
何の変哲もない白い壁が、異様に美しい。
天井の蛍光灯は美術用ですが、特殊な光を発するわけではありません。
なのに、作品と壁を照らす、光の柔らかさと輝きに圧倒されます。

壁にあるのは、小林さんが着色した紙箱です。
箱としては、これも特殊なものではありません。
絵具も普通の油絵具です。
何も変わったことはありません。
なのに、形と色と表情が生む、質量や存在感に目が和らぎます。

白い壁面に、着色した様々な箱状の立体を設置する。
珍しくもない、インスタレーションです。
変わっているとしたら、既製の紙箱を使っていることぐらいです。
商品が収納されている、いつも捨てるかどうか迷う、あの紙箱です。

紙箱の大きさ、厚さと、しなりの微妙なカーブ。
着色する色の吟味と塗り方。
壁と着色された紙箱の比率と設置される場所。
関係する紙箱と紙箱の色やボリュームや距離。
設置の微妙な高さや左右。
などなどなどが、すべて完璧に美しく等価の関係になると、このような比類なき空間が出来上がる。
わたしは、そう思いました。

何よりも、立体と白い壁が等価であることに感動しました。
白い壁とは、作品の余白で無駄のことです。
それが足りないこともなく、逆に余白が主役になることもなく、着色された紙箱と等価で存在しています。
無駄が美しさを生む源泉であることを、証明しています。
それは、ドローイングの作品も同じです。
等価で、支え合っているのです。
空間に中心はなく、在るものはすべて中心であるような、等価な世界です。

企画者としては自画自賛になりますが、是非ご覧いただきたい展覧会です。
よろしくお願いいたします。

「世界」2009 小林聡子展/テキスト
2001年藍画廊個展
「美」と「術」2000


iGallery企画 「世界」2009
小林聡子展
KOBAYASHI Satoko

2009年3月16日(月)-3月28日(土)
20日(祝)、22日(日)休廊
11:30-7:00pm(最終日-6:00pm)

会場案内