iGallery DC



加藤学展
KATO Gaku


加藤学展の展示風景です。



各壁面の展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。

以上の13点で加藤学展は構成されています。
各壁面の作品をご覧下さい。



まずは、左壁面の作品を一点づつご紹介します。
ドローイング「景について」( H56×W44cm)です。
紙にアクリル絵具を使用しています。



「景の間」(50×27cm)です。
キャンバスにアクリル絵具を使用しています。



「丘陵に居る.3」(41×45.5cm)です。
キャンバスにアクリル絵具を使用しています。



左壁面の「夜間歩行2」と正面壁面の「夜間歩行3」です。
サイズは共に27.5×19cmで、キャンバスにアクリル絵具を使用しています。



正面壁面のドローイング「景について」(62×47cm)です。
紙にアクリル絵具を使用しています。



「丘陵に居る 4」(27.5×22cm) です。
キャンバスにアクリル絵具を使用しています。



正面の奥の壁面の「無題」(44×36.5cm)です。
綿布にアクリル絵具を使用を使用しています。
この作品だけ1995年制作で、その他の作品は2011年に制作されています。



次は右壁面です。
ドローイング「景について」((56×44cm)です。
紙のアクリル絵具を使用しています。



2点共「夜来雨聲」で、サイズは左が42×31.5cm、右は27.5×22cmです。
共にキャンバスにアクリル絵具を使用しています。



左は「夜間歩行」(33×22cm)で、右は「無題」(33×24cm)です。
共にキャンバスにアクリル絵具を使用しています。


展示はドローイングとペインティングが、程良い点数で配置されています。
作品の重量感を巧みに配分した、見やすく、落ち着いた展示です。

ドローイングは動きのある線描と、微かに着けられた色彩の美しさが際立っています。
地と図のバランスも絶妙で、作家の感性の良さと習練がうかがわれます。
ペインティングは、一見重い印象を受けますが、画面は色彩に富んでいて、気持ちの良い軽みさえ感じます。
薄く塗られた密度の高い絵画空間は、「生」と「霊」が何の矛盾もなく同居しているような世界が開示されています。
そして何より、絵画の奥深さを体感させ、そこに眼を委ねる快楽に誘われる画面です。

加藤学さんは絵画作家ですが、風景をテーマとして作品を制作してきました。
風景画とは山、渓谷、木々、河川、森などの景観を描いた絵画です。
ただし、加藤学さんの描く風景は、ただ単に風景を写し取る(写生)することが目的ではありません。

一口に風景といっても、その中身は多様です。
同じ風景を見ていても、人によってその見方、受け取り方が異なります。
生活の場として風景を見る地元の人、観光として訪れ風景を眺める人。
それだけでも大きな違いです。
同じ観光で訪れたとしても、人によって風景の記憶は異なります。
つまり極端な事をいってしまえば、それを見る人の数だけ、風景は存在することになります。

又、その風景を見る時代によっても、風景の在り方は違います。
富嶽信仰の厚かった近世の富士山と現代では、見る者の意識に相当の隔たりがあります。
それは西洋でも同じで、神の創造物としての自然、風景と、近代以降の科学が発達した時代の風景では、その在り方はまったく異なります。

その様な風景に、哲学でいうイデアのような絶対的なモノは存在するでしょうか。
風景を風景たらしめている本質、真理のようなモノはあるのでしょうか。
その問いから、加藤学さんの絵画は始まっています。

加藤学さんは文化庁在外研修員として2002年から1年間中国(北京)で学んでいます。
西欧に於いて、風景画は、意外なことにかなり後世になってから描かれています。
神(キリスト教)の視点が中心で、風景は単独で描画の対象にならなかったからです。
その点中国を中心とした東洋では、山水画などの風景画が早い時期から描かれ、風景に対する認識も先んじています。
1年間の中国の滞在は、そういった事情、動機もあったのではないかと思われます。

美大の絵画科(西洋絵画)を卒業し、次第に東洋に於ける風景の存在に興味を移していった加藤学さんですが、その経緯は当然画風に反映されています。
マテリアル(画材)や形式(抽象画)は西欧絵画の伝統を踏襲していますが、内容には東洋の風景観が中心に据えられています。
加藤さんの絵画を見たある人は、そこに「気」を感じたそうです。
それは加藤さんの絵画、風景観を至極簡潔に表現しています。
その豊穣で無駄のない画面。
色彩と形と線が複雑に交錯している空間。
それらの中心にあって、絵画を制御しているのは、(言葉にすれば)「気」のようなものです。


風景は、そこに在ります。
わたしたちも、風景の一部です。
そして風景は、わたしたちの還るところかもしれません。

ご高覧よろしくお願い致します。

加藤学略歴

プライスリスト
作品の価格は2011年末まで有効です。
作品を購入後希望の方は、恐れ入りますが、下記までメールにてご連絡をお願い致します。
折り返し送金方法、納品時期等をお知らせ致します。
(作品が配送の場合、勝手ながら送料はお客様のご負担とさせていただきます。)
なお、作品納入後一ヶ月以内の返品は受付させていただきます
fuku-mac@@kc4.so-net.ne.jp
(*お手数ですが@を一つ取ってから送信してください。)


iGallery DC  加藤学展


会期:2011年4月17日(日)〜5月15日(日) 
開廊日:木・金・土・日
時間:12:00〜19:00


会場アクセスと展覧会スケジュール