藍 画 廊

𠮷岡朝美展
「ただよい、かわらずにあるもの」
YOSHIOKA
Tomomi


𠮷岡朝美展の展示風景です。



各方向からの展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面方向です。



正面の壁面方向です。



右側、入口横の壁面方向です。

以上の1点のインスタレーションと4点の平面作品が展示室の展示で、その他小展示室に2点の平面作品の展示があります。

インスタレーションはタイトル「ただよい、かわらずにあるもの」(和紙、糸)でサイズ可変です。
下はクローズアップです。





入口横壁面の平面作品です。

 


左から「ひだまり」(キャンバス、和紙、アクリル)でサイズ727×606mm、
「どこか遠くをみつめて」(木製パネル、アクリル)で180×180mm、
「ここにも空があった」(木製パネル、アクリル)で180×180mm、
「ありがとう」(木製パネル、アクリル)で180×180mmです。


〈作家コメント〉

「ただよい、かわらずにあるもの」
わたしは黙り、見つめる。
まぎれもなくわたしの中からうまれた存在。
言葉にできない隙間を縫うようにやわらかなものがそこにある。

画廊の中央に漂うように浮かぶ、朧気な白い物体。
それは半透明のメッシュのような形態で、小さな袋のようなカタチをしています。
数は80個ほどでしょうか、近づくと揺れ、ホワイトキューブの中で目の焦点がなかなか合いません。
何かの仕掛けがあるわけでもなく、映像のイリュージョンでもない、不思議な光景です。
しばらく位置を変えながら見ていると、その美しさに魅せられていきます。
例えてみれば、最近テレビで放映された「霧の彫刻」のような空間そのもののが生む美しさです。
見えているのに、実体(実態)が掴めない、空間の変容に包まれるような体験です。

実体そのものは、極薄の和紙と透明な糸です。
和紙が天井から糸で吊されているだけです。
そして、その薄い和紙ゆえに僅かな空気の動きで揺れます。
その揺れが、空間に作用して、インスタレーションはその時々で表情を変えます。
ある種のホワイトアウトが、起きているようにも思えます。
わたしは何を見ているのでしょうか、あるいは何も見ていないのでしょうか。

𠮷岡さんの今回の作品は出産が契機になっています。
前回は祖父の死でした。
つまり、身近な生と死にインスパイアされた作品です。
何も無いところから何かが生まれ、何かが在ったところから何かが消える。
それは本当だろうか。
もしかしたら、何かは何かから生まれ、何かは今でも在るかもしれない。
見えないのは無いのではなく、気配のように漂っているかもしれない。
そんな感想が浮かんでは消え、再びわたしは近づくと揺れる何かを見ようとする。

ご高覧よろしくお願い致します。

作品リスト

2013年藍画廊グループ展
2018年藍画廊個展
2020年藍画廊個展

 

会期

2023年10月9
日(月)ー10月14日(土)
11:30ー19:00(最終日は18:00まで)

会場案内