藍 画 廊


阿片陽介展
AGATA Yosuke


阿片陽介展の展示風景です。






以上の4点が展示室の展示で、その他小展示室に7点の展示があります。
作品の詳細を御覧下さい。



入口から見て、左側壁面前の作品です。
タイトル「めたも 四」(陶・化粧土・釉薬」でサイズは1320×600×550mmです。



正面壁面前の作品です。
「めたも 一」(陶・化粧土」でサイズは1160×540×540mmです。



右側壁面前の作品です。
「めたも 三」(陶・化粧土・釉薬」でサイズは1150×480×480mmです。



入口横壁面前の作品です。
「めたも 二」(陶・化粧土・釉薬」でサイズは1180×750×500mmです。

<作家コメント>

粘土で作る過程でなった形から思わぬ発見をします
そのバランスを取ろうと進めますがそれは工業製品や動植物の形など記憶の蓄積によって得たバランスです
発見した形と記憶の形の合わさった部分が作品となりました

阿片(あがた)さんの作品を見ていると、遠い昔の縄文土器を思い出します。
陶と土器は制作過程に違いがあり、縄文の装飾性もありませんが、なぜか作品に祭紀や儀礼に用いられた土器が重なります。
陶で何かを表したい、という気持ちや意欲も重なるのです。
阿片さんの過去の展示を見ると、色彩の鮮やかさが印象的です。
(小展示室の小品にはそれを継承したものもあります。)
しかし今回は渋い色合いの組み合わせで、形も全体に円みのあるシンプルなものになっていますが、これが良い。
格段に作品の説得力が増しています。

作品に特定のモチーフはないそうですが、記憶の中の様々な形が造形のベースになっているようです。
その記憶は阿片さん個人のものですが、わたしが見てもどこか親しみを覚る形体です。
つまりこれは共有された記憶で、しかも同時代人に限らない古(いにしえ)の記憶も含まれていると思います。
日本の風土や動植物の形、それらの連綿とした記憶が作品の核にあるに違いありません。
それ故に、作品が個人の手から離れ、広い普遍性を獲得しています。
面白いのは工業製品にまで形の記憶が及んでいることで、うがった見方をすれば、それは電子機器から縄文に発達した狩の道具(弓矢や石槍)にまで及んでいるかもしれません。
さほどにレンジの広い作品と言えます。

陶の質感や光沢、及び穏やかな感触を活かした造形。
陶は土から作られますが、人も土から生まれて、土に還ります。
その親和性が陶の魅力で、文字通り、地に足がついた素材であり、表現です。
それでいて、現代的な感覚をも併せ持つ阿片さんの陶の作品。
その新旧のバランスも秀逸で、今後の制作に一層の期待がかかります。
クールジャパンばかりが日本のオリジナルではありません。
ここにもクールで、なおかつ時代を超えた表現があるのです!

ご高覧よろしくお願い致します。


プライスリスト1
プライスリスト2

2009年「たまびやき」藍画廊
2015年藍画廊個展
2016年藍画廊個展

2018年6月4日(月)ー9日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)


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