藍 画 廊


吉田絢乃展
ダイアローグ
YOSHIDA Ayano


吉田絢乃展の展示風景です。



各壁面ごとの展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。



正面の壁面です。



右側の壁面です。



入口横の壁面です。

以上の11点で吉田絢乃展は構成されています。
作品はすべてカンヴァスにアクリル絵具です。
作品を1点ずつご覧下さい。



左壁面、左端と中央の作品です。
左は、タイトル「have a chat I」でサイズ910×727mm(F30)です。
右は「have a chat II」で910×727mm(F30)です。



左壁面、右端と正面壁面、左端の作品です。
左は「ダイアローグ IV」で1940×1620mm(F130)です。
右は「ダイアローグ V」で1940×1620mm(F130)です。



正面壁面、中央と右端の作品です。
左は「ダイアローグ I」で455×380mm(F8)です。
右は「ダイアローグ II」で455×380mm(F8)です。



右壁面、左端と中央と右端の作品です。
左は「レイヤー I」で1167×803mm(P50)です。
中央は「レイヤー II」で1167×1167mm(S50)です。
右は「レイヤー III」で1167×910mm(F50)です。



入口横壁面、左端と右端の作品です。
左は「ダイアローグ III」で455×530mm(F10)です。
右は「連動する人」で500×727mm(M20)です。

〈作家コメント〉

ひとの残す痕跡をイメージしてひとの脱皮した抜け殻を制作しています。
今回はひとがお喋りしている抜け殻を描きました。

吉田さんの絵画がユニークなのは、ひとの痕跡をそのまま抜け殻としてレリーフにしていることです。
文字通り抜け殻で、セミの抜け殻のように、物質として画面に付着しています。
前回は手帳や洋服のようなモノと文字や記号や数字などの情報を抜け殻にしました。
今回は情報通信(IT)に絞って、主にモニター上に流れる情報のやり取りをテーマにしています。

画面にはチャットやSNS、メッセンジャーなどで交換される情報が描かれています。
これはモニターを見ながらの手描きで、抜け殻は顔や人体を模しています。
現代人がスマートフォンやタブレットなどで、常に情報を交換しながら生活している様が古文書のような形態で描かれています。
この幾分アイロニカルで反転した発想が面白いですね。

右壁面の「レイヤー」シリーズは、情報通信の歴史をレイヤー(層)として図式化しています。
手紙、電話、初期のパソコンで用いられた絵文字やアイコン、そしてスマートフォンのチャットの画面。
これらは通常、情報通信の進化、進歩として語られますが、本当に進歩や進化などでしょうか。
手紙や電話の時代から今まで、わたしたちはお互いにダイアローグ(対話)を深化させてきたのでしょうか。
機器は確かに進化しましたが、コミュニケーションは深化したのでしょうか。
触れ合う機会は格段に増えましたが、ダイアローグは薄く、表面だけのものになっていないでしょうか。
吉田さんの絵画をみていると、次々に疑問が湧いてきます。

モニター上を流れる対話はホストのコンピューターには記録されますが、ローカルのスマートフォンやタブレットには残りません。
電子情報の保存(抜け殻)は不確かで、電脳空間を彷徨うだけです。
そんな情報通信を独自の方法で視覚化し、古文書として提出する。
吉田さんの方法ですが、とてもオリジナリティがあり、技術もしっかりしています。
そして、考えさせられる。
展示方法にも工夫があって、組の大作を壁面を跨いで大胆に展示しています。

絵画はとても古い技法で、これも一つの情報通信(IT)です。
その辺をわきまえた表現が作品に多様な見方を与え、作品世界に広がりをもたらしています。
一筋縄ではいかない作品ですが、テーマや表出はとてもストレート。
その素直さと表現技術の確かさが、この作品の最大の美点だと思います。

ご高覧よろしくお願いします。

プライスリスト

2012年西川美穂・吉田絢乃展

会期

2016年10月10日(月)ー15日(土)
11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)


会場案内