藍 画 廊




宗岡さと子展

domestic animals
MUNEOKA Satoko

宗岡さと子展の展示風景です。



各壁面ごとの展示をご覧下さい。



画廊入口から見て、左側の壁面です。
左端から6点の小品はタイトル「domesticanimals-cat-」(麻布・ミウグランド・油絵の具)でサイズ22.5(H)×16.0(W)(SM)cm、「domesticanimals-horse and man red-」(木パネル・ミウグランド・油絵の具)で59.4×42.0(A2)、「domesticanimals-horse and man blue-」(麻布・ミウグランド・油絵の具)で91.0×72.5(F30)です。



正面の壁面です。
「domesticanimals-cows-」(麻布・ミウグランド・油絵の具)で145.5×112.0(F80)です。



右側の壁面です。
左から、「domesticanimals-dog 30-」(麻布・ミウグランド・油絵の具)で91.0×72.5(F30)、「domesticanimals-dog 15-」(麻張りキャンバス・油絵の具)で65.0×53.0(F15)、「domesticanimals-pigs 15-」(麻布・ミウグランド・油絵の具)で65.0×53.0(F15)、「domesticanimals-pigs B3-」(木パネル・ミウグランド・油絵の具)で51.5×36.4(B3)です。



入口横の壁面です。
9点の小品はドローイングシリーズで「domesticanimals-drawing-」(パステル・紙)で21.0×14.8(A5)です。

以上の22点が展示室の展示で、その他小展示室の3点のドローイングの展示があります。




左壁面の「domesticanimals-cat-」です。
変奏曲のようにネコが描かれています。
本展のサブタイトルは「domestic animals」ですが、それについて宗岡さんがテキストを壁面に貼付していますので、以下に転載いたします。


domestic animals

domestic を辞書で調べると「家畜」として domestic animals という言葉が出てきます
1 家庭の , 所帯の , 家事の , 家族の domestic affairs 家事
2 家庭的な , マイホーム型の a domestic man 家庭的な男
3〈動物などが〉人になれた , 飼いならされた domestic animals 家畜
4 自国の , 国内の , 内地の;国産の domestic news 国内ニュース  goo 辞書より抜粋

少し周りを見渡せば私たちが生きていく上で非常に多くの動物たちに囲まれて生活していることが解ります。
その歴史を遡るまでもなく犬や猫が家庭の中で家族として生活しており毎日の食卓では牛、豚、鶏、鶏卵、乳製品、計画的に繁殖され、利用された動物たちとふれあう機会は多いはずです。

人と共存することで種の存続と繁栄を世界中に広めることに成功した彼らは、また、人の命を支える大切な命です。
命には一つとして同じものがないというごく当たり前のことが当然だとするならば私たちは実に多くのかけがえのない命の上で生活しています。

日々の膨大な消費生活の中で埋もれがちですが、命を持つ彼らの息吹を感じ、触れることでわき上がる気持ちを忘れずに利用していきたいと自戒を込めて、肖像を描きました。

宗岡さと子



同じく左壁面の2点です。
「domesticanimals-horse and man red-」と「domesticanimals-horse and man blue-」です。
これは馬術の馬と騎手を描いたものです。



正面壁面の「domesticanimals-cows-」です。
牛は農耕に使われたり、牧畜として飼育されています。
最近は少なくなりましたが、その昔は、農家の家畜として広く飼われていました。



右壁面の「domesticanimals-dog 30-」です。
犬や猫は、今はペットとして家族の一員になっています。
以前は番犬や鼠捕りという仕事があったのですが、その役割よりは、メンタルな面での人間との付き合いが濃くなっています。



右壁面の「domesticanimals-pigs 15-」と「domesticanimals-pigs B3-」です。
この豚は沖縄産のアグーという種類で、上野動物園で見ること(触ること)ができます。



入口横壁面のドローイング2点です。
左は馬術、右は犬です。


宗岡さんのペインティング、大胆なデフォルメとカラフルな色調が特徴です。
集中力のこもった線の強弱の面白さ、端正な構図。
それも見物です。
ドローイングも又しかりです。

ここに描かれた動物が生き生きしているのも、その筆力によります。
一見抽象に見える画面をよく見ていると、無駄なものを極力省いた画面構成に感心します。
何よりも筆に勢いがあって、絵が生きています。
そういった基礎の力があるので、コンセプトが浮いていません。
地に足の着いた絵画です。

動物と人間の共存。
これは難しい問題です。
特に食用の動物が、工場のような環境で促成されているのを見ると、複雑な気持ちがします。
他方で、人と人の関係が薄くなっていくのをうめるような貴重なペットの存在。

宗岡さんが書かれた通り、日々の膨大な消費生活を支えているのは、そのような動物の命です。
改めて、日常というものを考えさせられました。

ご高覧よろしくお願い致します。


2011年藍画廊個展

 

 

会期

2012年10月29日(月)ー11月3日(土)

11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)



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