藍 画 廊



松田麗香展
MATSUDA Reika

 

松田麗香展の展示風景です。



画廊入口から見て、正面と右側の壁面です。
左から、作品タイトル「そこにある それもまた 19」で、作品サイズF 100、
「そこにある それもまた 11」で、F 8、
「そこにある それもまた 17」で、F 10です。



入口横右の壁面です。
左から、「そこにある それもまた 18」で、SM、
「そこにある それもまた 12」で、P 8、
「そこにある それもまた 14」で、P 4です。



左の壁面です。
左から、「そこにある それもまた 9」で、M 80、
「そこにある それもまた 16」で、S 15です。

以上の八点が画廊内の展示で、その他道路側ウィンドウに一点、芳名帳スペースに一点の展示があります。
作品はすべて雲肌麻紙・岩絵具を使用しています。



正面壁面の「そこにある それもまた 19」です。
アラベスク(アラビア風の装飾模様)のようにも見えますが、無数のリングで構成された絵画です。
作品の部分のクローズアップをご覧下さい。



多様な大きさ、色相のリングが連鎖しています。
松田さんはセッセと脇目もふらず、リングの連鎖を書き続けて、一つの絵画を完成させます。
しかし、美しい。
画廊に展示された、厖大なリングの連鎖で構成された絵画の数々は、とても美しい。
その透き通るような色と形のバリエーションは、異次元の世界の窓のようです。



左壁面の 「そこにある それもまた 9」です。
「そこにある それもまた 19」は青の色合いでしたが、これは赤系。
間の緑のリングの連鎖が、赤の明るさを際立たせています。
白いリングの使い方が、隠し味になっています。



その白いリングを前面に配置した「そこにある それもまた 16」です。
背後のリングの色が浮き出ていますね。
展示全体のアクセントになっている作品です。



右壁面の「そこにある それもまた 11」です。
8の字に見えるのも、リングの連鎖です。
模様の面白さを絵画に取り入れたような、作品。



入口横右の 「そこにある それもまた 18」と「そこにある それもまた 14」です。
渋い色調でありながら派手な絵画と、明るい色調でありながら落ち着いた絵画。
対照的でありながら、同じ感触を受けます。


松田さんがなぜリングの連鎖を描き始めたのか、不明です。
しかし、人は無意識に連鎖する形を描く傾向があります。
イタズラ書きをしていて、ふと気が付くと、同じ形を連続して書いていた。
そんな経験がありませんか。

模様、つまり織物、染め物、工芸品などに装飾として施す種々の絵や形に、連鎖するものが多いのはご存じかと思います。
一方で、現代美術のミニマルアートにも色や形の反復が見られます。
模様とミニマルアートの反復には遠い距離がありますが、実は同根(同じルーツ)かもしれません。

松田さんの絵画は、模様でもミニマルアートでもありません。
双方に影響を受けているかも知れませんが、松田さんの絵画です。
この色と形は、松田さんの絵画です。

松田さんの絵画は、クールであって、情感が出ています。
模様や繰り返しの要素が強く、抑制された表現なのに、情感の強い絵画です。
そのバランスが、とても面白くて、楽しい。
雲肌麻紙と岩絵具による、奥行きのある、透明度の高い絵画。
パターンから浮き上がってくる、松田さん自身の情感が巧みに表出されています。

ご高覧よろしくお願い致します。


2007年藍画廊個展

作家Webサイト



会期


2008年5月12日(月)ー5月17日(土)


11:30amー7:00pm(最終日6:00pm)



会場案内