川田夏子展の展示風景です。
平面の作品の展覧会です。
作品はすべて、雲肌麻紙に岩絵の具を使用しています。
各壁面の展示です。
入口から見て、正面と右側の壁面です。 左から、タイトル「桜鼠 No.3」で、727×606mm、 「桜鼠 No.2」で、180×140mm、 「青磁 No.1」で、273×410mm、 「桜鼠 No.1」で、1455×970mmです。 |
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入口横右の壁面です。 左から、「焼白緑」で、318×410mm、 「黒群青 No.3」で、273×220mm、 「白茶 No.2」で、318×410mmです。 |
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左側の壁面です。 左から、「青磁 No.2」で、1167×910mm、 「珊瑚」で、455×273mmです。 以上が画廊内の展示で、その他道路側ウィンドウに一点、芳名帳スペースに二点の展示があります。 |
それでは作品を数点ピックアップしてご覧いただきます。
左壁面の大きな作品「青磁 No.2」です。
タイトルは使用した岩絵の具の色名が付けられていますので、この作品は青磁色で描いた作品です。
地は雲肌麻紙の紙の色そのままです。
次は拡大した作品の部分です。
透明感のある画面です。
(実際の画面の明るさは全体にフラットです。色調も若干異なります。)
半透明の楕円の形が無数描かれていますが、その動きに特別な方向性は見られません。
作為のある秩序ではなく、無作為の秩序が動きを支配しています。
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正面壁面の「桜鼠 No.2」です。 桜色の派手が鼠で沈静化され、落ち着きのある画面を作っています。 一つ一つの楕円は、そこに固定されているのではなく、ある法則に従って動いているかのようです。 |
右壁面の「桜鼠 No.1」とその部分のクローズアップです。
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楕円の密度と透明度が他の作品より低い作品です。
品がある、作品です。
使用色は上の作品と同じですから、比べてご覧になって下さい。
入口横右の壁面の「焼白緑」です。
難しい色名ですね。
日本の色には焦(茶色)とか煤(竹色)と形容された色がありますが、白緑を焼いた色が焼白緑です。
沈んだ中に色気が存在している色です。
次は部分のクローズアップです。
この画像も実際の色調と異なりますが、重なり合った楕円は時間を内包しているのでしょうか。
時間と時間が重なり、その動きには大きな大きなサイクル(循環)があるのかもしれません。
しかし、作品にあるのは理屈や論理ではありません。
感情(感じる情)と、そこから生まれた知性です。
絵筆が重ねた、思索です。
ご高覧よろしくお願いいたします。
2002年藍画廊個展