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第三回 旅打ちin名古屋 斉田 真子



小さい頃、“こんな女にだけはなりたくない!”と心に決めた女性像があります。

・大酒を飲んで醜態をさらす女
・タバコを吸う女
・パチンコをする女

幼い頃、忌み嫌ったイヤな女の三大要素。
あれから、約20年。
月日は人を変えるとはよく言ったもので、この三大要素を見事クリア。

酔いつぶれて人さまのお家で寝ゲロをしたことがあります。
タバコは1日1箱。
鼻から煙を出すこともあります。
最後の砦だったパチンコは、つい2年ほど前に手をつけ、今では、すっかり虜の身。
まんまと、イヤな女に成り果てました。

とは言っても、これまでの所行を後悔する気はなく、ましてや悔い改める気などサラサラなし。
これはこれで、とても楽しい生活です。
というわけで、ここでは、最近ハマりにハマっているパチンコで、名古屋まで旅打ちに行った時のことをお話します。

パチンコメーカーの本社が多くあり、その直営店も多い名古屋。
だから、きっと出玉(大当たりして獲得できる玉)も多いに違いない。
そんな単純な理由からの旅打ちです。

一緒に行ったのは、私にパチンコの楽しさを植え付けた悪友のWさん。
Wさんは、名古屋に旅打ちに行くことが決まると、いち早くインターネットで名古屋のパチンコ店情報を入手! 
宿の手配から新幹線のチケットまで、全ての仕切りを完璧にこなしてくれました。
まったく金がかかると頼りになる女です。

お昼に東京を発ち、午後2時頃に名古屋着。
名古屋駅前のホテルにチェックインすると、休憩もそこそこにパチンコへ。
1日目に行ったのは、名古屋市南区にある「マルハン元塩店」。

店内に入ると、さすがは等価交換の優良店。
お客さんでギッシリ! 
しかも足下にはドル箱の山。
鼻息も荒くさっそくパチンコ開始!

1000円、2000円、3000円、当たらない……。
結局この店は、お客さんが多く、台選びが自由にできないこともあり、早々に撤退することにしました。
収支は、Wさんが2回当ててくれたので、私のマイナスを引いても、プラス6800円。
Wさんはパチンコ歴が長いだけに引きも強く、本当に頼りになるお方です。

次に向かったのは、名古屋市中村区にある「大一岩塚店」。
ここは、パチンコメーカーの直営店なので、きっと自社メーカーの台だけは玉を出すだろうと勝手に思い込み、行ってみました。
最寄り駅に着いた頃は、もう夜の8時を過ぎていました。
夕食もとらずにパチンコです。
アホです。
店に入ると、空気が妙に澄んでいます。
!!!客がいない!!!

客の多すぎる店も困りますが、少なすぎる店は、もっと困ります。
なぜなら、客がいない=玉を出さないから寄りつかないという図式がいとも簡単に成り立つからです。
案の定、どうあがいても当たらない………。
帰ろうと決意したときには、二人合わせて2万4000円のマイナス…。
「二度と来るか!クソ店!!」と罵声を浴びせ、ホテルへと帰りました。

さて2日目。
土曜日で休日ということもあり、きっとパチンコ店も出す気満々に違いないと、意気揚々とホテルを出ます。
この日向かったのは、名古屋市千種区にある「スタジアム1100」というお店。
白いガラス貼りの外観がとってもおしゃれなパチンコ店です。

ここも優良店なのか、お客さんでいっぱいでしたが、客の少なすぎる店に痛い思いをさせられたばかりなので、迷わずここで勝負することに。
実戦を開始して数十分後、やってきました、ビッグウェーブ!!
Wさんも私もコンスタントに当たりを引き、なんと、夕方までに二人の収支はプラス5万2000円! 
ビバ!名古屋。



気持ちよく勝たせてもらったところで、私たちは夕食を食べるため、店を後にしました。
名古屋で始めてちゃんと食べた食事は、手羽先です。
名古屋名物、手羽先揚げの元祖として名高い「風来坊」というお店に行きました。
この店は、相当人気があるらしく、私たちが行った時も行列ができていました。

店内には、“食べ始めて2時間したら、とっとと帰りやがれ”的な注意書きが書かれ、席に付く際にも店員さんからクギを刺されます。
大きく出る割りには、味は普通でした。

夕食後、ホテルに帰っても良かったのですが、気が付いたら不思議なことに「スタジアム1100」にいました。
パチバカ二人組です。
さきほどの勝利で気を大きくしたのか、俄然やる気満々のパチバカ。
もっともっと稼いでやると、再び実戦開始です。

と・こ・ろ・が!
一気にプラスに転じて気持ちが緩んだのか、気が付いたときには、二人合わせて4万6000円のマイナス…。
どえりゃーことです。
結局、この日は、己の浅はかさを嘆きつつ、ホテルに帰ったのでした。

そして、旅打ち最終日。
大きく勝たなければ、トータル収支がマイナスになってしまうという、大事な、大事な日。
私たちは、この最後の戦地を、昨日、勝たせてくれた「スタジアム1100」に決めました。
戦いの前には、しっかりと腹ごしらえです。

名古屋に来て、二度目のちゃんとした食事は、みそ煮込みうどん。
言わずと知れた名古屋名物です。
さっそく、地元でも有名なみそ煮込みうどんの老舗「山本屋本店」へ。
店に入り、メニューを見てビックリ。値段が高〜い! 責任者出てこ〜い!

ネギと卵とうどんしか入っていないのに1200円もとりやがる。
名古屋コーチンが入ったら2000円以上(食べる気ないので覚えてない)。
まさに、観光客目当てのボッタグリ店。

「誰が2000円以上も払ってうどんを食うか!」と、一番安いネギと卵だけのうどん(1200円)を注文して食べました。
値段が高いだけに、味はさぞおいしかろうと思っていると…、
マズイ!(しかも、クソ付き)

何がマズイって、うどんに芯が残っていて、粉臭い。
二度と行かないだけでなく、悪口を言いふらしてやりたくなるような老舗の名店でございました。
すっかり気を悪くして、うどん屋を後にしたのですが、実は、このクソマズうどん事件、この後に起こる不幸のほんのプロローグにしかすぎなかったのです。

なんと、最後の戦地、[スタジアム1100」で悪夢の惨敗!
一時は、二人合わせて8万円のマイナスという地獄を見たのですが、何とか閉店間際に取り戻して5万2000円のマイナスに…。
しかし、取り戻したといっても焼け石に水です。
二人とも気を失いかけていたので、ホテルへの帰り道は、ほとんど覚えていません。
心も財布もカラッポになり、私たちの旅打ちは静かに幕を閉じたのでした。

〜旅打ちin名古屋収支報告〜

1日目 マイナス1万7200円
2日目 プラス6000円
3日目 マイナス5万2000円
※トータル マイナス6万3200円
(一人頭3万1600円の負け)

<第三回終わり>


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斉田 真子

女性
首都圏在住
自由業
趣味 パチンコ


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