「冬のソナタ」以降韓国テレビドラマがブームですが、韓国映画も元気です。
今回ご紹介するのはキム・ギドク監督「悪い男」です。
悪い男=Bad Guyを演じるのは、チョ・ジェヒョン。
この俳優さん、Nice Guyです。
ストーリーは簡単で、女子大生に一目惚れしたヤクザが罠を仕掛けて売春婦に堕し、対立するヤクザとの抗争の果てに、愛を成就する話です。
ヤクザの弟分二人と売春宿の女主人が物語に絡んで、二人の「究極の恋愛」を盛り上げます。
最後はファンタジー的展開で(個人的には)若干シラケましたが、それでも一見の価値ありです。
女子大生が送り込まれた売春街を見下ろすヤクザの弟分達。
主人公のヤクザのシマが売春街で、その事務所からのショットです。
この売春街の色彩設計が何ともいえません。
ストーリーの破天荒さに勝る映像美、といっていいと思います。
売春街で呼び込みをする売春婦。
原色のネオンとコスチューム。
氾濫する色彩がこの映画の舞台です。
呼び込みシーンから、もうワンカット。
レッド、ブルー、グリーン。
内部には鏡の世界もあって、淫靡で純愛。
夕暮れの売春街です。
これは、パステルカラー。
座っているのが、売春宿の女主人です。
この売春宿、コインランドリーに似てますね!
ヤクザと(元)女子大生の対面シーン。
左端の黒い下着姿の女性が強烈なアクセントになっています。
主人公のヤクザのハンギを演じたチョ・ジェヒョンの演技がこの映画の芯になっています。
孤独の中で、暴力しか自己表現ができないハンギ。
言葉を発しない(発することができない)ハンギ。
そのハンギを全身で演じています。
近所のレンタルビデオ店に「悪い男」がありましたら、是非ご覧下さい。
損はしない筈です。
※今回の画像は自室のテレビをデジカメで直接撮影しました。