遠い過去の記憶や最近見た夢を頭の中で浮かべてみて下さい。
さて、どんなイメージになったでしょうか。
例えば、こんな感じですか。
空と電線の画像です。
まぁ、何の変哲もない風景ですね。
でも、記憶の中や夢の中の風景に見えないこともありませんね。
遠い昔の、まだ小学生だった頃の夏休みの空。
世界が未知であふれていて、空想と現実の境目が曖昧だった時の電線と空。
画像がモノクロームでしボンヤリしていると、そんな記憶の中の風景に見えますね。
この画像は山梨県甲府市にある舞鶴公園(甲府城跡)の謝恩碑です。
市内の中心にある舞鶴公園のシンボルがこの謝恩碑で、いわば甲府市のシンボルといえます。
わたしが小さい頃から見慣れている風景で、記憶にしっかりと刻まれています。
撮影したのは今年ですが、遥か昔の風景にも見えます。
記憶の中のボンヤリとした謝恩碑に、見えます。
三年ほど前にある方からメールをいただきました。
メールには「iの研究」の<宇宙の研究>の感想が記されていました。
その方はホーキンス博士の検索で、どういうわけかiGalleryにたどり着いたのでした。
同じ宇宙でも、わたしが書いたのは「2001年宇宙の旅」だったので全然役には立ちませんでした。
役には立たなかったけど、画像とテキストを楽しんでいただけたようでした。
特に、画像はその方の幼い頃の家族の自動車旅行を思い出させて、涙が出たそうです。
わたしの方はそんなつもりはなくて、サイケデリックな雰囲気を醸し出すために画像を加工しただけでした。
意外でしたが、わたしの写真には元々そういう要素があるのかもしれません。
上は甲府市の桜の名所です。
ヨチヨチ歩きで、両親に連れられて行った桜見物。
そんな記憶の風景に、見えますでしょうか。
学校で何をやっていたのかサッパリ思い出せない小中学校時代。
憶えているのは修学旅行だけかもしれません。
都会の人の多さに驚き、華やかな街並みに目を奪われ続けました。
近くて遠かった東京。
バスで浅草や皇居を廻って、憧れの東京タワーへ。
その時、東京タワーが東京の何処にあったのか知る由もありませんが、高くそびえ立つテレビ塔は確かにありました。
赤と白に塗り分けられた東京タワーは鮮やかで、モダーンでした。
記憶の倉庫に入っていた東京タワーを探しだすと、記憶はモノクロームで、しかも時の経過で少し変色していました。
「記憶と夢」(2)に続く