今から三十年前、電話とカメラが一緒になるとは誰が予想したでしょうか。
家の玄関に鎮座していた黒い電話とお父さんの自慢のニコンが一緒になるなんて、誰が想像したでしょうか。
まるで接点のない二つの機械が、今や当然のように同居している。
予想もつかない未来とは、このことですね。
そんなわけで、今携帯電話を買えばもれなくカメラが付いてきます。
そのカメラが欲しくて、買うやいなや通信契約を解除する人もいるそうです。
食玩のオモチャが目当てで、お菓子を捨ててしまう人に似てますね。
食玩のオモチャと違うのは、付いてくるのがリッパな本物だということです。
オモチャのカメラではなくて、リッパに写る本物のカメラです。
上の画像をご覧下さい。
一見ボケボケでオモチャのカメラで撮ったように見えますが、これはマトモな写真を高度な技術でワザとボカしたものです。
マトモだと面白みがないので、コンピュータに取り込んで、高度な技術で処理した写真です。
(注:三十年前からみての高度な技術です。今では誰でもできる、フィルタ/ボカシを施しただけですが。)
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左は高度な技術なしのマトモな写真です。
ね、チャンと写っているでしょ。
何といっても130万画素、デタラメに撮っても一応は写真になってしまう。
右は職場の前のパチンコ屋の花輪ですが、こちらは高度な技術入りです。
リニューアルオープンで飾られた花輪ですが、実際は台が少し増えただけでした。
客もそんなことは百も承知なので、リニューアルという言葉だけが行き場を失っていました。
わたしは200万画素のデジカメを所有していますから、今更130万画素のカメラがあってもしようがありません。
携帯の機種変更をしたら電話にカメラが付いてきたので、試しに使っているだけです。
使わないと何かソンをしているような気がするので、使っています。
ちなみに機種変更に要した費用は4000円ぐらいですが、貯っていたポイントを使用したら500円ほどで済みました。
(別途2000円の登録費が電話代と一緒に引き落とされます。)
一世代前とはいえ数万円以上はした商品ですから、安いといえば安いのですが、良く考えるとどうだか分かりません。
商品の価値体系が崩れているので、わたしのような電話オンリーの人には一概に安いとはいえません。
(電話の送受信だけでも結構な金額の基本契約料は取られますから。)
安いんだか高いんだか、ホンと分かりづらい時代です。
とにもかくにも、携帯のカメラを使うには馴れることが必要です。
あの小さなキーの操作方法を憶えて、パッと撮影できなければいけません。
パッとね。
あれこれイジッて何となく操作を覚えたころ、恒例の花火大会がやってきました。
花火といえば、写真ですね。
デジカメではそういう図式にノらない使い方をしてきたわたしですが、携帯ではアッサリとノってしまいました。
なにせ練習ですし、どうせ携帯は持っていくのですから。
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撮れてますね〜。
液晶ファインダーでの撮影に馴れていないのとオートフォーカスの合わせ方がイマイチ分からないので、かなりデタラメにシャッターを切ったのですが、撮れてます。
誰が見ても、花火です。
最初の花火で数回シャッターを切って直ぐ気がついたのは、写真を撮っていると花火が全然面白くないことです。
花火を見た気がまるでしません。
当たり前ですが、液晶越しに花火を見ても何の感動もありません。
わたしの目的はあくまでも花火見物。
サッサと携帯をバッグに入れて、中間に一回と最後に一回の撮影に決めました。
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今年の花火大会、景気の悪さが影響して時間短縮、打ち上げ本数削減でした。
それでも最後の方は華やかで、つい歓声をあげて花火に魅入りました。
わたしの好みは、左のゴールド系花火と一斉に真っ直ぐ上がる柱のように花火です。
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花火大会のフィナーレを飾るナイアガラです。 これは何回見ても美しい。 滝のように落ちる花火はもちろんですが、その上の盛大な白い煙も雰囲気あって何ともいえないですね。 左下の人影は防災関係の方です。 川に落ちたり、不測の事態がないよう気を配っていました。 ごくろうさまでした。 |
ナイアガラが終って帰途についたわたし達ですが、一緒だった一家族は子供の買物(夜店が多数あります)で遅れて帰ってきました。
話を聞くと、昨年同様若者が荒れていて怖かったそうです。
う〜ん。
今回使用している画像のサイズは、スクリーンサイズという待受画面用の大きさです。
130万画素ですから、最大960×1280pixまで撮れますが、このスクリーンサイズが気に入っています。
枚数も多く撮れますし、携帯デジカメらしいサイズだと思います。
携帯デジカメはオモチャではなくて本物のカメラですが、その特徴はライブ感覚にあるのではないでしょうか。
現場感、臨場感というか、速報的な感じですね。
撮って直ぐ送信する、そんなライブ感覚が携帯デジカメの取り柄だと思います。
そこで、ライブな撮影を試みました。
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左は歩いているわたしの足です。
右は画廊回り(画廊を回り歩くこと)で、とある銀座のビルの階段を登る藍画廊の倉品です。
別に意味のない画像ですが、何となくライブですね。
特に右は画像が荒れていて、ライブ感が増しています。
このライブ感に必要以上に着目すると、良からぬ用途に携帯デジカメを使う人が出現します。
エッチ系盗撮ですね。
多分、その手の趣味の人にはこのライブ感が堪らないのでしょうね。
気持ちは分からないのでもないのですが、そういうことは止めましょうね。
大変な人権侵害で失礼な行為ですし、捕まるとこれ以上カッコ悪いこともないですから。
普通に携帯デジカメで撮影する人にも迷惑です。
しかしまぁ、とんでもない世の中になったものです。
携帯を持っている人口がどのくらいか知りませんが、国民の何割かは所有しているはずです。
その中でカメラ付きがどのくらいいるかも分かりませんが、数百万単位であることは間違いありません。
数年もすれば数千万単位です。
それだけの人が常にカメラを持ち歩いている。
眼鏡とカメラは日本人のキャラでしたが、それにしても・・・・・ですね。
最後も、再び高度な技術を施した写真です。
縦長でいつもの画像とは違う地上と空のバランスが、わたしの眼には何となく新鮮です。
さて、三十年後いや十年後、電話とカメラのような予想外のドッキングは何と何でしょうか。
当たり前の組合せではダメですよ。
予想外ですからね、予想外。
とてもくっつきそうもないモノを一緒にして、想像力を働かせて下さい。
では。