今年の夏は記録的な猛暑になっています。
今週の火曜日、所用があって西荻窪のアパートから丸の内に直行しました。
二時間ほどビルの中にいて外に出ると、熱風が全身を撫でるように吹いてきました。
陽射しも、強いというよりは鋭いといった感じです。
肌をあてると痛くなりそうな陽射しを避け、小さな木陰で丸ノ内シャトルバスを待ちました。
場所は外堀通りの帝国劇場の近くで、道の向こう側は皇居の外苑です。
何気なしに皇居の方を見ていると、空に雲が一つ浮かんでいました。
待ち時間の暇つぶしにカメラを取り出し、その雲を撮影。
このときの時刻は午後一時前でした。
撮影場所からクルマで一、二分のところに大手町の気象庁があります。
同時刻に、その気象庁で観測史上もっとも高い東京の気温が記録されていました。
39.5度。
上の画像は、気温39.5度の風景です。
そう思って見ると、コントラストが陽射しの鋭さを現している気がしますね。
雲も眩しい感じです。
この日の気温を知ったのは夕刻画廊に着いてからです。
暑いとはいっても、こんな高い気温だとは思いもしませんでした。
(ただでさえ暑いのに、画廊の近所のインド料理屋では火事もありました。)
その翌日。
朝から仕事で、午後の一時に店を出ました。
このときも、出た瞬間に熱風と鋭い陽射しに襲われました。
自室に戻ってテレビを付けると、甲府で午後一時に40.4度を記録したというニュースが。
全国の気象台、測候所で観測した最高気温記録の二位だそうです。
わたしの住居は甲府の隣で、直線で100メートルも北進すれば甲府市です。
おそらく甲府と同じような気温か、あるいはそれ以上だったかも知れません。
南側の窓を開けて撮影したのが、下の画像です。
気温40.4度の風景です。
空の色の薄さと、山の上方の雲の層が、暑〜い感じを醸し出しています。
東京の画像と同様、地上のコントラストの強さが容赦ない陽射しを想像させます。
二枚の画像とも、特に変わった風景ではありませんが、気温を想像して見ると本当に暑そうだから不思議です。
前回は納涼でしたが、今回は何だか我慢大会の様相を呈してきましたね。
さて、今度は暑くはないが恐ろしい雲の画像です。
甲府で40.4度を記録した五、六日前の夕方、大気が不安定で、ダークな雲が急ぎ足で空を覆ってきました。
西の方は夕焼けで、雲の切れ目には青い空も。
黒雲が夕陽を浴びて部分的に燃えるようなオレンジになっています。
不吉を予告するような空の景色ですね。
複雑な雲の形態は、描かれた絵のようです。
さてさて、前回の終わりに、写真であるような、絵画であるような、画像を作ってみたいと書きました。
マジでやると大変なので、遊びで何枚かの画像を作ってみました。
なぜマジでやると大変なのかといえば、写真的絵画、絵画的写真の優れた作品を知っているからです。
とてもじゃないが、勝てそうもありません。
いつものように、遊びながら作るのが一番です。
それでは、一点目です。
モノクロームです。
雲のディティールが絵のような、写真のような雰囲気、といえばそのように見える画像ですね。
この画像は(ズームではなく)標準で撮影し、トリミングはしていません。
それなのに、雲の近くで撮影したような画像です。
次の画像では、それがもっと顕著に出ています。
ハイ、二点目です。
今度はカラーですが、飛行機の窓から撮影したようにも見えませんか。
遠近を計るものが写っていないからですね。
背景の青空が人工的な色合いで、そこがチョコッと気に入っています。
この画像も雲のディティールに焦点を合わせてレタッチしたのですが、それしか能がないというのも困ったものです。
レタッチのテクニック不足を露呈したわたしは、やや反則気味の変形画像で遊んでみました。
丸い画像です。
四角い画像を丸くすれば何とかなるかも知れない、という安易な発想です。
発想の安易さは安易な画像としてストレートに出てしまい、当然ながらそこにマジックは働きませんでした。
ちょっと絵が写真に勝ちすぎてますね。
もう少し写真のリアリティが欲しいところです。
レタッチしているうちに、水晶玉のイメージがアタマに浮かびましたが、かなり陳腐になりそうなので止めました。
レタッチの過程はどれも単純なもので、前回とさほど変わりません。
処理を施すスライダーの加減を調節して、絵のような、写真のような画像を目指しました。
ただ、一番上の小さな画像は多少凝っています。
モノクロームに変換した画像と青紫に塗りつぶした画像の間にレイヤーマスクを入れています。
そうすると深みのあるモノクロームができるそうですが、あまり変わらなかったような気がします。
レタッチ初級者としては致し方ないかもしれません。
最後にモノクロームをもう一枚。
逆光の雲です。
絵画的なハッタリがある画像と思いますが、今一つ突っ込みが足りない気がします。
基本的には突っ込むよりは引くタイプなので、これが限界かも知れません。
これ以上の遊び方が分からなかった画像、です。
レタッチソフト(わたしが愛用しているのはPhotoshop Elements)は奥が深いのですが、、複雑な処理を経て制作された画像にはあまり興味がありません。
どちらかといえば、ローテクで一発勝負、写真技術の進化の逆を行ったような処理の画像が好きです。
ボケやモノクロームはその一種かもしれませんが、やはり肝心なのは作る側の考え方です。
表現の核のようなものがシッカリしていないと、人を惹きつけられませんね。
前半は我慢大会でしたが、後半は多少涼しかったでしょうか?
遊ぶにも技術が必要で、それがないと中途半端な遊びになってしまいます。
それと、遊ぶ心ですね。
この二つ(プラス体力)が上手くあうと面白いものができます。
技術は分かるけど、遊ぶ心って何でしょうか。
もしかしたら、人間にとって最も必要なものではないがそれがないとツマラナイ人生になってしまうもの、かもしれませんね。
もっと、遊ばなくては!