シルエットとは輪郭だけを描き、中を黒く塗り潰した絵のことです。
又、影や影法師の意味もあります。
昔のモノクロームの映画では、このシルエットを効果的に使ったものが多くあります。
例えば、「第三の男」。
今回のiPhotoはシルエットを撮影した画像ですが、昔の映画を気取って、ページをモノクロームで構成してみました。
iPodのTVCFはバックがビビッドなカラーのシルエットですが、こちらはバックも渋いモノクロームです。
さて、上の小さな画像、白いフェンスに文字とシルエットが描かれています。
場所は近所(山梨)の工業団地の教会の庭です。
この教会、結婚式専用でいつもは誰もいません。
壁の反対側に池(プール)があって、その池を渡って教会の内部に入ります。
ロマンティックな趣向です。
白い馬車に乗って軽井沢の小さな教会で挙式、という路線の延長にある結婚式スタイルですね。
このスタイルを笑ってはイケマセン。
日本人は多かれ少なかれ、そのスタイルの延長線上にあるのですから。
フェンスの中央のシルエットは、当然結婚式の主人公である新郎新婦(花嫁花婿)です。
シルエットはこの画像で見ているとグレーですが、本当は有彩色です。
どんな色だと思いますか。
色を想像しながらご覧下さい。
最後に、カラーの画像をお見せします。
新郎新婦以外のシルエットは、結婚式の列席者です。
上の画像、新郎か新婦の家族、親戚のようです。
小さな子供とその両親。
多分、お兄さんかお姉さんのご家族ですね。
左側は友人の輪でしょうか。
こちらは、見方によってはちょっと意味深なシルエット群です。
勝手に想像してみましょうか。
中央で話している二人のうち、右の女性は右端の男性の恋人(妻)です。
その男性が左端の女性と恋に落ちた(二股あるいは、不倫)。
そこで、女性が親戚の年長者に相談している図。
結婚式に相応しくないシーンですが、実はよくあることかもしれません。
(二人ずつに分離している濃い影が、ドラマを暗示しているように見えますね。)
この三人は、特に関係はないようです。
真中の女性は和服姿。
最近は結婚式か葬式でないと、和服姿の女性を目にすることが在りません。
この女性のモデルは、女優の新珠三千代さんでしょうか。
現皇太子の理想の女性だった人ですね。
列席者の群像です。
フェンスは、中央に新郎新婦で、このような群像が左右に配置されています。
折れ曲がった感じが、屏風に見えないこともないシルエットの図です。
(上の群像、市川崑監督の佳作「黒い十人の女」を連想させます。)
反対側の群像もご覧に入れましょう。
この群像の左にも数人のシルエットが描かれています。
さて、シルエットは人間ばかりかといえば、犬もいます。
昨今の犬ブームを反映して、小型犬のシルエットも描かれています。
犬も家族の一員なんですね。
良く見ると、小型犬ではないかもしれません。
(犬には詳しくないのでご容赦を。)
犬が出たところで、番外として藍画廊の直ぐ近くで撮影した牛のシルエットをご覧に入れます。
肉屋さんのバンに描かれた牛のシルエット。
バンの側面をキャンバスに見立てれば、ナカナカセンスが良いですね。
現代美術的な絵画、ともいえそう。
(高松次郎の「影の絵画シリーズ」もありましたね。)
バンの向こう側にステーキハウスがあるのは、偶然です。
さて、最後の一枚はカラーです。
シルエットのカラー、何色だと思いましたでしょうか。
撮影時は新緑の季節でした。
季節に相応しい、グリーンのシルエットです。
出生率の低下で年金の給付予定が危ぶまれているそうです。
この二人にはガンバッテもらいましょうね!
ところで、シルエットがモノクロームの場合と、上のようなグリーンでは受ける印象がかなり違います。
モノクロームですと、その人の内面というか、内に秘めたものが現されている感じがします。
「人の影/陰の部分」、のようなものが出てきます。
昔の映画は、その「人の影/陰の部分」を効果的に使っていました。
最近の映画では、「SF サムライ フィクション」、「キルビル」にシルエットのシーンがありますが、使い方が違いますね。
(iPodのTVCFも当然後者です。)
このフェンスは仮設で、隣地の工事中に架けられたものです。
隣地は結婚式の披露宴会場を建設中でした。
この建物もフォトジェニックでしたので、そのうち撮影してきます。
上手くいったら、又「iPhoto」に載せます。
では、又。