わたしは楽器というものが弾けません。
音楽は大好きなのですが、楽器が弾けません。
ヴォーカルもまるでダメ。
可能性としてはDJがありますが、年齢(とし)がいってて、これもダメ。
天はニ物を与えず、といったところでしょうか。
(天が与えた一物は器量、というのはもちろん冗談です。)
もしも楽器が弾けたなら、わたしは何を演奏したいのでしょうか。
ピアノ、ギター、ドラム?
そうですねェ、ロックで育ちましたから、やっぱりギターですね。
エレクトリック・ギターです。
ギブソンですね。
フェンダーでも良いですが、こういうのを弾きたかった。
美しい画像ですが、これは自作ではありません。
出所は、
ここです。
Apple U.S.A.のWebサイトのMusicコンテンツのトップページです。
「Rockは死なず」、かなり色褪せたフレーズですが、わたしの年代では取り敢えずは認めざるを得ません。
これを完全に否定してしまったら、わたしの立つ瀬がなくなってしまいます。
しかし、今回のテーマはそういうことではありません。
音楽の流通の話です。
一般的に音楽を購入するのはCDショップですね。
WWWには有料のダウンロードサイトが少なからず有りますが、今のところは流通の主流ではありません。
ニュースでご存じかと思いますが、Appleが音楽配信ビジネスに参入しました。
噂は前からあって、一時はAppieのUniversal Music買収という話もありました。
この噂の前提にはAppleのiPodというハードウェアが関係しています。
iPodはハードディスクを記憶媒体とした携帯MP3プレーヤーです。
(分かりやすく説明すれば、初代ウォークマンはカセットテープを記憶媒体とした携帯プレーヤー、ということになります。)
MP3はファイル形式ですが、Appleが配信に採用したのはより高音質でファイル容量の少ないAACという形式です。
同時に発売された新iPodは当然このファイル形式をサポートしています。
専門的な話はこれくらいにして、具体的な配信のプロセスを見てみましょう。
楽曲のダウンロードにはiTunes4が必要になります。
iTunes4はMacOSXで作動するソフトウェアですから、今のところはコンピュータにOSXがインストールされていないと配信サービスは利用できません。
iTunes4のアイコンは、このページの一番上の小さな画像です。
大きな画像は、下でご覧下さい。
iTunes4はMacのMusicアプリケーションで、音楽を聴いたりインターネットラジオに接続したり、あるいは楽曲をCDにコピーすることもできます。
iTunes3からiTunes4への大きな機能追加は、ミュージックストアへの接続です。
ミュージックストア、これがAppleの配信サービスの拠点(サイト)です。
つまりiTunes4には、ミュージックストアに特化したブラウザの機能がプラスされたことになります。
そしてミュージックストアへのアクセスはiTunes4からしかできません。
iTunes4の左側にあるサイドバーからミュージックストアを選択すると、以下のようなトップページが表示されます。
Music Storeの下の小さな文字は但し書きです。
「貴方の国(日本のことです)ではミュージックストアのブラウズと試聴はできますが、購入はできません。購入はアメリカ合衆国のみのサービスとなります。」
購入の決済はクレジットカードが基本で、その請求書の送付先がアメリカ合衆国でないとダメということです。
話を整理すると、Appleのミュージックストアから音楽をダウンロードするには、パソコンにMacOSXとiTunes4がインストールされていて、しかもアメリカ在住でなければ利用できません。
現在のところは、かなり限定された条件です。
(ダウンロードした曲はiTunes4経由でiPodに転送して、それで聴くのがベストでしょうね。)
にもかかわらず、開始一週間で100万曲以上がダウンロードされたそうです!
ひょっとしたらこれは、音楽流通(配信)のターニングポイントかもしれません。
では、ミュージックストアの中に入ってみましょう。
メジャー五社のアーティストの楽曲がリストアップされていますが、t.A.T.uのページを行ってみました。
(t.A.T.uは時々FMで聴くのですが、イケてますね。)
「200 KM/H in the Wrong Lane」というアルバムです。
下段がアルバム収録曲で、一曲99セントで購入できます。
安いと思います。
インターネットでは、P2P(ピア・ツウ・ピア)というファイル交換技術を利用した音楽のやり取りが以前から問題になっています。
著作権の問題ですね。
それに対して、合法的なネット配信のビジネスも多く誕生しました。
しかしながら、利便性やコピーの制限がネックとなって普及しませんでした。
ミュージックストアは会員制ではなく(誰でもいつでも利用できる)、コピーも十回までは可能です。
楽曲も豊富で、価格も安い。
違法コピー問題に対する「現実的な解決」かもしれません。
しかもAppleという、いわばマイナーでありながらブランド力のある会社が始めたことに意味がありそうです。
もしマイクロソフトがやるといっても、音楽メジャーは首を縦に振らなかったでしょう。
美味しいところは全部マイクロソフトに持っていかれる可能性があるからです。
パソコン業界のように。
(マイクロソフトにはiPodのような連動したハードウェアがないことも弱いですね。)
音楽を聴く、考えてみればこの行為も随分と変化しました。
とりわけメディアとの関わりがこの行為を大きく変えました。
近くではアナログレコードからCDへの交代です。
これだけでも音楽に対する接し方が大きく変ったと思います。
果たして「現実的な解決」はどのように音楽の聴き方、接し方に変化をもたらすのでしょうか。
又、「現実的な解決」(ネットからの音楽配信)は本来の音楽のあり方とどう関わっているのでしょうか。
次回「iの研究」で考察してみたいと思います。