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iPhoto


小さなニュース


今回のiPhotoは、小さなニュースです。
(画像もニュースの小ささに比例するように、ささやかなものです。)
多くの人にとってはどうでも良いようなニュースです。
わたしにとっては、小さいけれども、良いニュースです。

Webブラウザのニュースです。
Appleが新たにリリースしたWebブラウザ、
Safari
上の画像がSafariのアイコンです。
コンパス=WWWのナビ、といった意味ですね。

Safariは無料でダウンロードできますが、現在はパブリックベータ版(英語版)のみで動作環境はMacOSX10.2以上です。
パブリックベータは公開試用版の意です。
わたしのMacOSXのヴァージョンは10.1.5で止まっていますのでサポート外ですが、試しにダウンロードしてみました。
が、賭けは外れて、インストールできませんでした。
仕方がないのでMac系サイトのスクリーンショットでSafariのツールバーをご覧いただきます。



アイコンと同じようにシンプルで美しいですね。
高速、軽量、つまりページの読込みが速く、起動も素早いのがSafariのセールスポイント。
ブックマーク等の使い勝手にも工夫があるそうです。

優れたブラウザのリリースというだけでは、それほど良いニュースではありません。
Safariが良いニュースである、その1は、
SafariがMacの標準ブラウザになるということです。
ご存知の通り、Macの標準ブラウザはMicrosoftのInternet Explorerです。

AppleとMicrosoftは犬猿の仲だったはずが、いつのまにか付かず離れずの関係になりました。
MacOS9まではIEとOEが標準のブラウザ、メールソフトで、Microsoft OfficeがバンドルされたMacまで発売されました。
OSXになって自前のMailが標準メールソフトになりましたが、ブラウザはIEのままでした。
それがここにきてブラウザも自社製。
(正式版のリリースはまだ先ですが。)
AppleのMicrosoft離れ、これは良いニュースです。

見方によっては、MicrosoftがAppleを相手にしていないともとれますが、もしそうであればあるほどAppleには意地を見せてもらいたいものです。
(今やMicrosoftのライバルはLinux、というのが通説ですから。)

SafariをAppleの自社製と書きましたが、実際はオープンソースのブラウザが基になっています。
そのブラウザはLinuxで使われているKonquerorです。
これが、Safariが良いニュースである、その2です。
下がKonquerorのツールバーです。



わたしが普段使用しているLinuxのKonquerorをキャプチャした画像です。
下のブックマークをご覧になるとお分かりと思います。
Safariに比べるとデザイン的洗練度は落ちますが、何といっても本家本元、ソフトの完成度は上です。
比べてみると、インターフェイスは似ていますね。

Safariはオープンソース(ソフトのソース=設計図が公開されている)のKonquerorをベースにしています。
KonquerorのライセンスはGPLというもので、このライセンスのソフトのソースコードを使用する場合は、必ずソースを公開しなければなりません。
必然的に
Safariはオープンソースになります。
設計図が公開されるわけですね。
公開されれば、Safariをベースにブラウザを制作する人が出てきます。
それを売っても良し、無料で配布しても良し。

この自由な展開がソフトウェアという著作物の面白さです。
残念ながらわたし自身にはその技量もないので、ユーザーとしての立場で楽しむ他はありません。
でも、愉快です。
覇権主義のMicrosoftの対極にこういう世界があるのですから。



続いての画像は、Safariと同時にリリースされたKeynoteのパッケージです。
Keynoteはプレゼンテーションソフトです。
所謂プレゼンで使うソフトですが、この分野ではMicrosoftのPowerPointが独壇場。
それに対抗するソフトウェアです。

過大評価かもしれませんが、Appleのソフトウェア戦略を見直しました。
古い喩えですが、一寸の虫にも五分の魂、でしょうか。

今回の更新はちょっとマニアックで趣味に走った気もします。
コンピュータを趣味とされていない方には分かりづらいですね。
どの世界にも、小さいな事件が積み重なって大きな変動が起こることがあります。
Safariがその小さな事件であるかどうかも分かりませんが、期待したくなるニュースであることも事実です。

小さなニュースだけど、わたしにとっては良いニュースでした。




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