隣り

上の画像は、藍画廊の入居しているビルの斜向かいにあるドトールの二階の小さなテラスです。
このドトールは五月にオープンしたのですが、二階が喫煙可能なフロアで、しかもテラスとの境がオープンになります。
開放的な喫煙可能カフェとして重宝しています。

藍画廊のある京橋／銀座界隈はカフェ戦争の激戦区です。
歩いて三分以内に、流行（はやり）のセルフサービスのカフェが６、7軒あります。
ドトール、スターバックス、ターリーズ、・・・・。
基本的には代わり映えのしないスタイルで、少し退屈なカフェ群です。
他人事ながら、その密集ぐあいに収支を心配してしまいます。

さて、藍画廊は京橋と銀座の境目の京橋寄りにあります。
境目は何でしょうか？

境目は、首都高速道路です。
左がその首都高です。
こっち側が京橋で、向こう側に見えるホテル西洋は銀座になります。

右は、藍画廊のあるビルと首都高の間にある碑です。
「江戸歌舞伎発祥の地」と刻まれています。
江戸歌舞伎は京橋で発祥したのですね。
ということは、江戸時代ここら辺りに歌舞伎小屋があったということかもしれません。
今の首都高は当時川だったと思いますから、船で大店のおかみさんやお嬢さんが早朝から駆けつけて、それはそれは賑やかなことだったでしょう。

その首都高の下には商店街があります。
鉄道のガード下に商店や居酒屋があるように、首都高の下にも商店や居酒屋があります。
京橋／銀座の首都高の橋の下の片側にはMICA LADYとBODY SHOPというショップがあり、もう一方にはカフェと居酒屋と、文房具店がありました。

一階のカフェは前述のセルフサービススタイル、二階の居酒屋魚一丁（うおやいっちょう）は体育館のような広さにもかかわらず連日大入満員です。
一階のカフェの隣りに文房具店はありました。
今は、ありません。

空っぽ、ですねぇ。
見事に空っぽです。
ここに入っていた文房具店は「Office DEPOT（オフィス・デポ）」で、アメリカ資本のチェーンです。
文房具店というよりは、オフィス用品のスーパーマーケットといった感じの規模でした。

上の画像でお分かりと思いますが、とにかく広かったです。
間口はそれほどでもないのですが、奥行きが京橋の街のワンブロック分ありましたから。
（文房具店の前に入居していたのが家具店、というのが納得できる広さです。）
ウナギの寝床という比喩は比較的狭い場所に使いますが、ここの場合は「巨大なウナギの寝床」です。

何でもありましたねぇ。
文房具からパソコン関係からコーヒーからオフィス家具まで、オフィスに関するものは何でもありました。
オンデマンド印刷や映画の前売券までありました。

わたしは小さいときから文房具が好きでしたから、こういうお店でブラブラするのは楽しみでした。
「Office DEPOT（オフィス・デポ）」が退去したのが今年の春で、入居はその二年前ぐらいと記憶しています。
退去した「Office DEPOT（オフィス・デポ）」は無くなったわけではなくて、ここから日本橋方面に三分ぐらい歩いたところに移転したのでした。

京橋の明治屋の前に移った「Office DEPOT（オフィス・デポ）」です。
狭いですね～。
普通の文房具店としては広いほうかもしれませんが、以前に比べれば五分の一以下です。

中に入っても、以前の圧倒されるようなアメリカ的商品量ではありません。
気のせいか、スタッフ（店員）もアメリカナイズからジャパニーズになったみたいです。

以前は壁面に全スタッフの写真が飾ってあって、今月のスタッフのMVPみたいな掲示もありました。
いかにもアメリカンスタイル、といった感じのね。

要は、需要が売場面積ほどなかったので狭いところに移転したという簡単なことですが、店のイメージの変わりようには少し驚きました。
イメージで大きいのは店舗面積の他に店舗地域名もあります。
前は「銀座店」、移転後は「京橋店」です。
境目の首都高下の番地は銀座になります。
銀座は華やかなショッピングの街、京橋は中小の会社の密集した地味なビジネス街ですから。

再び、空っぽです。
こうやって見ると、柱が高速道路下の柱と似てますね。
（当たり前か。）
天井もね、何か普通の店舗の天井に見えませんね。
建物がカーブしているせいでしょうか。

「Office DEPOT（オフィス・デポ）」が入っていた時は、別段そう思いませんでした。
不思議ですね。

銀座の三原橋の地下にシネパトスという四つの映画館があります。
ここで映画を観ていると、すぐ隣りを走っている地下鉄の音が聞こえます。
シリアスなシーンでは興ざめですが、地下鉄のゴーという音で妙に心が落着く時もあります。
関係ないけど、これも不思議です。

再々、空っぽです。
この画像だけ最近で、後は数カ月前に撮影した画像です。
向こう側に見える花壇の赤い花が、酷暑にも関わらず元気に咲き乱れています。

空っぽは、束の間の休息です。
そのうちテナントが見つかって、又もとの華やかさを取り戻すでしょう。
それまで、しっかり休んで下さいね。

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