リフレクション(reflection)とは反射、反響のことですが、鏡や水に写った映像の意もあります。
上の写真は銀座で撮ったものですが、ビルの黒い石柱に映った風景です。
表面を磨いた石に映った風景は、ガラスや金属のリフレクションとは違った鈍いボケや歪みがあります。
正月二日の銀座通りです。 一丁目辺りから四丁目方向に向かって撮影しました。 これは、ストレートな写真です。 午後の三時過ぎでしたが、曇っていたため少し暗い感じがします。 人出はまずまずといった雰囲気で、デパートなどは福袋の人気もあってごった返していました。 通りで目に付くのは、国旗です。 日の丸ですね。 これが、一丁目から八丁目まで一定間隔で掲げられています。 |
今年は、冬季オリンピックとサッカーのワールドカップがあります。
国旗(日の丸)の振られる光景を目にする機会が多いと思います。
前回の長野やフランスを思い出して下さい。
選手や応援の人が旗を振ったり、サポーターが顔に日の丸をペインティングしていましたね。
スポーツの応援には贔屓があった方が面白いのは事実です。
ま、それの方が熱くなれますからね。
それとは別に、帰属の問題もあります。
自分が属している方を応援するということです。
わたしも大抵は日本人選手を応援します。
しかし属するという意識は、そこがどこであれ、今は非常に希薄です。
その希薄さへの一時的反動が、前回ワールドカップに於けるサポーターの国旗の乱舞やフェイスペインティングに顕れている、とわたしは思います。
(もちろん、フェイスペインティングにはファッション的な要素もあります。)
無理やりの一体感というか、帰属への過剰な希求をそこに感じてしまいます。
ショーウィンドウに映った国旗です。
ショーウィンドウ自体が日の丸をイメージしていますから、ダブルで日の丸です。
場所は銀座晴海通りです。
この通りにも多数の日の丸が掲げられていました。
国旗は、国家の象徴です。
昨年、「iの研究」で少しばかり国家の事を考えました。
ガラスに映った国旗を見ていたら、ふと国家のイメージを考えてしまいました。
わたしにとっての国家とは、丁度このようなイメージかもしれません。
わたしはショーウィンドウのガラスの向こう側を見ています。
そこに展示されたものを見ているのです。
ふとした瞬間に、ガラスに映る映像も気になります。
それはわたしの背後にある風景なのですが、わたし自身が実在している風景です。
映っている風景は左右が逆なのに、日の丸は逆には見えません。
虚像なのに、逆には見えないのです。
こちらも晴海通りです。
ソニービルのあるスクランブル交差点付近です。
不二家の看板でお馴染のビルが見えますね。
このガラスを割ったら、たちどころに国旗は消えます。
(そして、たちどころにわたしは警察に連行されます。)
消えた後には、ショーウィンドウの商品が目に入るだけです。
というのはいくらなんでも、出来すぎな話ですね。
今や一般家庭で祝祭日に国旗を掲揚するのは稀です。
このようなショッピング街の方がマメに掲揚しています。
スポーツの日の丸と、ショッピング街の日の丸、それがわたし達がよく目にする国旗です。
リフレクションといえば、渡辺寛さんの作品です。
そうです、わたしがガラスや石柱に映った風景を撮ったのも、渡辺さんのことが頭にあったからです。
藍画廊では1月7日(月)から二週間、渡辺さんの新作展を開催いたします。
今回は予告編ということで、渡辺さんの作品に映った渡辺さんの作品をご覧いただきます。
(額装した作品のガラスに映った展示風景です。)
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左側に額装の作品が二点見えますね。 ロンドンの地下鉄にあるマジックミラーを撮影したものです。 向かい合った二つのマジックミラーを片側づつ撮影し、並べて展示してあります。 (マジックミラーのシリーズは、もうワンセット展示されています。) この二点を映している作品は・・・・。 |
その作品は、画面左側に映っている二点の作品の奥側です。 この二点は、水に映った風景を撮ったものです。 川面と水溜まりに映った風景です。 その他、ガラスに映った風景の作品二点も展示されています。 これは、凝った額装が為されていますよ。 |
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ややこしい予告編でした。
正月ということで遊んでみました。
渡辺さんのヘタな真似にお付き合いいただき申し訳ありません。
(渡辺さん、許して下さいね。)
次回の更新で展覧会の全貌を御案内をさせていただきます。
又、阿佐谷の西瓜糖でも渡辺寛展を1月5日(土)より同時開催いたします。
こちらもよろしくお願いいたします。
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