ここ数週間、IT関連で興味を惹く出来事が連続して起きました。
まずはAmazonの無料配送完全サービス化。
以前は1500円以上の買い物をしないと送料が無料になりませんでした。
1500円以下だと300円の送料がかかったので、小物を追加して無理矢理1500円以上にしたこともあります。
あるいは、消耗品のインクカートリッジをついでに注文して送料を無料にしたりしました。
いつごろからか忘れましたが、Amazonが試験的に無料配送を始めました。
二ヶ月ほど前、USBハブが必要になりAmazonで見ると、手頃な商品がありました。
1500円以下です。
送料が無料なので躊躇なく注文しました。
翌日(!)、あの大きな段ボール箱に小さなUSBハブが収まって、山梨の我が家に届きました。
Amazonの品揃えは当初の書籍から始まって、今や生活用品の多岐に渡っています。
それがクリック一つで送料無料で宅配される。
これは同業のネット通販業者はもちろん、現実に店舗を構えている商店やショッピングセンターなどにとって脅威ではないでしょうか。
そして宅配業者にとっても、煩雑な業務が薄利で増えることになるような気がします。
先日用事があって山梨の知人宅にお邪魔したのですが、帰り際、玄関で宅配業者とバッタリ。
届け物はAmazonの商品。
知人はパソコンなど得意な方ではないのですが、Amazonを利用している。
通販なので、(買い物客が)目に見えないのですが、Amazon利用者は想像以上に多いでしょう。
かつてこのように、一小売業者が日本の津々浦々へ商圏をのばした例を知りません。
いやこれは日本に限った話ではありません。
インターネットの普及と共に、世界中がそうなっていくと思われます。
そのAmazonが何の予告もなく音楽配信、MP3ダウンロードを日本でも開始しました。
楽曲はすべてDRMフリーで、価格はiTunesストアと同程度。
DRMフリーはiTunesストアが先行して実施していたのですが、Amazonは全曲がDRMフリー。
つまり購入した楽曲はMP3に対応したプレイヤーなら、どんな機器でも再生できます。
この分野においても、使い勝手や音質面で日本の配信サイトを凌駕しています。
その背景にあるのは音楽業界の業態の変化ですが、いつまで経っても、日本のメジャー配信サイトは閉鎖に過ぎます。
(その閉鎖性は携帯電話のキャリアの閉鎖性と、どこか似ています。)
Amazon関係では電子書籍端末のKindleがありますが、ソニーがReaderを日本で発売決定しました。
電子書籍の本命はiPadのような液晶ではなく、電子ペーパーを用いたKindleやReaderだと思います。
iPadなどの多機能のタブレット端末は新聞や雑誌向きで、自然に棲み分けが出来るでしょう。
書籍の未来が盛んに語られていますが、要は経験がそれを決めることになると思います。
電子書籍端末で読書して、その利便性が勝るか、それとも紙の本への愛着が勝るか。
流れは前者に傾くと想像しますが、わたし個人に関しては何ともいえません。
通常だったら紙の本ですが、移動時には小さくて軽い電子書籍端末が便利です。
とにかく荷物はできるだけ少なく、小さくしたいクチですから。
ここまで書いて、ちょっと疲れました。
いや、書くことに疲れたのではなくて、世の中の動きの速さに疲れたのです。
何ともまぁ、世の中は速く動いていくのでしょうか。
そう感じるのは、わたしの歳のせいばかりではなく、ビジネスのスピードがそうなっているからです。
現場の人間も(多分)疲れているでしょうが、一消費者であるわたしも疲れます。
スローライフなどという器用なことができないわたしは、今さらながら、途方に暮れてしまいます。
(いっそ世捨て人という手もありますが、そこまでは到底達せない中途半端さです。)
お次は、ブログでも書いたアップルの映画配信。
これは正直言って、その利便性に負けそうです。
今はまだ映画のラインナップが充実していないので、レンタルビデオショップが中心です。
ですが、あの返却の面倒を考えると、圧倒的に配信に惹かれます。
ラインナップの充実は時間の問題ですから、そうなれば、AppleTV(接続機器)を導入してテレビで視聴するようになりそうです。
以前iGalleryのどこかで書いたことですが、「便利なことが一つ増えると、必ず失うものが一つある」という、わたしの信念(?)があります。
概ね、この信念は今のところ当たっています。
映画の配信が主流になれば、街のレンタルビデオショップは潰れます。
その危機感もあって、最近はダンピング競争が激しくなっています。
電子書籍が主流になれば、街の小規模の書店も潰れます。
それ以外にも、新たな機器や流通の利便性の犠牲になるものはあるでしょう。
そしてそれらの中から、忘れたころに、(大切な)失ったものを発見します。
それが何であるか、今は分かりません。
最後は、これもブログで書いたビートルズの楽曲配信です。
これはここまで書いてきたこととは逆で、今まで配信されていなかった方が不思議な出来事です。
権利関係が原因なのか、それとも出し惜しみ(金額の釣り上げ)なのか。
そしてそれと同時に不思議なのは、予想以上に楽曲が売れていることです。
何でも解禁一週間で、ダウンロードが200万曲で、アルバムも45万枚とのこと。
興味があるのは、購入者がビートルズ初体験者なのか、それともビートルズだったら何でも入手する人なのか。
あるいはコレクションから抜けている楽曲、アルバムを購入した人なのか。
それにしても、ビートルズという商品は、(文字通り)手を換え品を替え、発売されます。
今後もそれは続くでしょう。
デビュー100周年になったとき、どんなカタチでビートルズの楽曲が売り出されるか。
これも、今はさっぱり予測がつきません。