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マイ・ブリッジ(1)


日本は川の多い国です。
川が多いと、橋も多いですね。
日本中、至る所に橋はあります。
藍画廊の近くには京橋、日本橋、数寄屋橋、二重橋があります。
もっとも、京橋と数寄屋橋は高速道路になってしまいましたが。

こちらはローカルな山梨の甲府市の橋です。


この辺り、昔は若松町と言いました。
一昔前の町名変更で、今は面白くも何ともない名前に変わりました。
料亭街だった所だそうです。
その昔は、夜ともなれば三味線の音やお座敷の嬌声がこの川面に響いたと思います。
川沿いの道は、置屋からお座敷へ、お座敷からお座敷へ、芸者さんが歩いたことでしょう。
今は、平凡な住宅街といった感じに
になってしまいました。


この川には異常に多くの橋が架かっています。
そうですねぇ、撮影地点から奥の方に向かって三十本ぐらいはあるでしょうか。
三百メートル弱でです。
反対側も、同じ距離で二十本以上はあります。



どうしてこんなに橋があるのかというと、それは個人の家に橋が架かっているからです。
川の左側の家には一軒に最低一本は橋が架かっています。
二本架かっている家も珍しくありません。
確かめませんでしたが、家の反対側には道がないのでしょうか?
大概の家は橋を渡ると玄関になっています。


上の画像の手前の橋のアップです。
狭い橋ですね。
人ひとり通るのが精一杯。
プランターや植木鉢が橋を占領しています。
これは、路地ですね。
下町の路地に近いです。
流行(はやり)の英国式ガーデニングは、日本の下町の路地の園芸が元になっているそうです。
一種の先祖返り、といえるのかもしれません。
ここで橋上のガーデニングを数多く見ました。


さて、この橋の権利関係はどうなっているのでしょうか。
ある橋に札がかかっていました。
それには、


 1.住所 甲府市中央5−8−7
   氏名 ×山○夫
 2.許可年月日 平成10年4月1日
   山梨県指令甲土第3−375号
 3.許可の目的 橋梁
 4.許可の場所 甲府市中央5丁目592番地先
 5.許可の期間 平成10年4月〜平成13年3月
 6.許可の面積又は量17.2平方メートル

と、書いてありました。
なるほど、県から橋を架ける許可を得ているのですね。
川の上の空中権を期間を決めて借りているということになります。
ということは、橋自体は×山○夫さんの個人の橋なんですね。
ということは、自分家(ち)の橋か!
これは、気分がいいですね。

橋を見たときに何となくは想像がつきましたが、これで納得しました。
個人の橋、ということは意匠(デザイン)は自由ということですね。
橋にはいろいろな意匠があります。
例えば、レインボーブリッジとか、勝鬨橋とか、猿橋とか、眼鏡橋とか、ロンドンブリッジとか、金門橋とか。
それを模してですね、各家々が競ったら面白いと思うんですが。
世界の橋が一堂に会した町、として有名になること請け合いです。
又は、斬新なデザインで勝負しても良いですね。
安藤忠雄に設計をお願いしたりして・・・・。
(以上、以下、妄想モードに入ってますので、無視される方は無視して結構です。)

それに、人に自分の家までの案内をする時も便利なような気がします。
「家(うち)は、交番の角を曲がったら三つ目の橋、レインボーブリッジを渡ったとこだよ」。

橋に名前を付けるのも面白いですね。
各家々が。
名前を付けて、プレートを橋の入口に飾っても良し、橋そのものに刻んでも良し。
孫の名前を付けても構わないし、ご先祖様の名前でもオッケイです。
パリあたりにありそうなロマンチックな橋の名前でも構いません。
橋の下の川はセーヌ川だ、と勝手に決めてしまうのです。
このあたりはセンスが試されますね。

と、妄想にふけっているとそこに現実が。


駐車場に使ってますね、この家は。
現実的といえば現実的ですが、ロマンチックじゃないですね。
でも、これが現実であって、橋を駐車場代わりに使っている家はガーデニングに負けないくらいありました。
残念。


これで(1)は終りです。
(2)は、甲府市の違う場所です。
タイトルの「マイ・ブリッジ」は、正確には「我が家の橋」になるかと思います。
語呂を優先して「マイ・ブリッジ」にしました。
悪しからず。

マイ・ブリッジ(2)



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